クリストファー・ノーラン、新作はユニバーサルが配給…ワーナーとの蜜月関係が終わる
クリストファー・ノーラン監督の次回作は、ユニバーサル・ピクチャーズが配給することになった。Deadlineなどが報じた。
「原爆の父」として知られる米物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材にした同作に関して、ノーラン監督と代理人はワーナー・ブラザース、ソニー・ピクチャーズ、ユニバーサル、パラマウント・ピクチャーズと交渉を行い、ユニバーサルが選ばれることになった。2002年の映画『インソムニア』以降、『インセプション』、『ダークナイト』3部作、『ダンケルク』そして前作『TENET テネット』に至るまで全てのノーラン映画はワーナーが配給してきたが(※『プレステージ』の米配給はディズニーだが海外配給はワーナー、『インターステラー』の米配給はパラマウントだが海外配給はワーナー)、その蜜月関係も終わりを迎えることになった。
ワーナーは昨年12月、2021年劇場公開予定の新作全17作をアメリカでは自社の動画配信サービス「HBO Max」でも同日から追加料金なしで配信すると発表。関係各所に事前に相談したり、合意を取り付けたりすることもなかったため、大変な騒動になった。映画館における映画体験の守護者として知られるノーラン監督も「われわれの業界の有名なフィルムメイカーや映画スターたちは夜、自分たちは最も偉大な映画スタジオと仕事をしていると思って眠りについた。そして次の朝、自分たちは最低のストリーミングサービスのために働いていると知ったのだ」と The Hollywood Reporter に怒りの声明を出し、ワーナーのやり方に不信感をあらわにしていた。
なお、新作についてはすでにユニバーサルから正式なゴーサインが出ており、2022年初旬の撮影開始を予定しているという。(編集部・市川遥)