「青天を衝け」吉沢亮&草なぎ剛、別れのシーンに涙腺崩壊
26日に放送された大河ドラマ「青天を衝け」第28回で、主人公・渋沢栄一(吉沢亮)に最後の命を下した徳川慶喜(草なぎ剛)。慶喜の亡き側近・平岡円四郎(堤真一)を介してめぐり逢い、長きにわたって固い絆で結ばれていた2人の別れのシーンに、SNS上では「胸が熱くなりました」「神回でした!」「泣けました」と熱い感想で盛り上がっている。
藍玉づくりと養蚕を営む百姓の家に生まれ、のちに「日本資本主義の父」と呼ばれる実業家として大成する栄一の数奇な生涯を描く本作。官尊民卑がはびこる身分制度に怒り百姓から脱却し、攘夷の志士へ。そこから一転して今度は慶喜に仕える幕臣となり、大政奉還後には突然、明治新政府から大蔵省への仕官を命じられ……と、まさに波乱万丈の人生を駆け抜けてきた栄一。第28回「篤太夫と八百万(やおよろず)の神」は、新政府への仕官を断るために東京に向かった栄一が大隈重信(大倉孝二)と対面し、大きな決断を下す重要なエピソードとなった。
大隈重信に完全に言い負かされたのちも栄一は踏ん切りがつかない様子で、謹慎を解かれ静岡で暮らす慶喜のもとへ。穏やかな表情で庭を眺める慶喜と、栄一の背中越しの会話が展開した。慶喜に忠誠を誓ってきた栄一はたぎる思いを爆発させ、「明治政府は混乱の極み。人材もおらず、新政府はそう遠くない未来に必ず崩れる。この静岡で力をたくわえ、新政府が転覆したその時こそわれらが新しい日本を守るためべきだと存じます」「上様は消えるべきではなかった」と訴えるも、慶喜は血気盛んな栄一を「静岡には岩倉具視の密偵が多く紛れ込んでいるから」と諭しつつ、その心中を推しはかった。
慶喜は、260年にわたって国を作った東照神君(徳川家康)の偉大さに思いを馳せ、「東照神君なくして国をつくるなら、八百万とは言わずとも多くが力を合わせるしかない」「行きたいと思っているのであろう。その腕をふるいたいと。ならば私のことは忘れよ」「これが最後の命だ。渋沢、この先は日本のために尽くせ」と栄一の背中を押した。
笑顔を見せながらもどこか寂しげな慶喜と、万感の思いがこみ上げる栄一。士分となった際にかつて平岡に与えられた篤太夫の名を返し、元の名に戻したいという栄一との会話では「渋沢栄一……そんな名であったかな」と出会いの日を懐かしむ慶喜の様子もあり、フラッシュバックで映し出された2人の出会いのシーンが視聴者の涙腺を直撃。思慮深く冷静な慶喜ととにかく熱い栄一、好対照な2人の関係は本ドラマの大きな魅力の一つでもあり、「もっと見ていたかったです」と2人の別れを名残惜しむ声が後を絶たない。(編集部・石井百合子)