『007』新ボンドガール、出演シーン全カットの過去
映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(公開中)でボンドガールの一人に抜てきされ、キューバのCIAエージェント・パロマ役で鮮烈な印象を残したアナ・デ・アルマス。同作では短い出演時間ながら多くのファンを獲得したが、過去には残念ながら出演シーンが全カットされてしまった映画もあった。
その映画は、ダニー・ボイル監督の音楽ロマコメ『イエスタデイ』(2019)。「自分以外は誰もビートルズを知らない世界」に身を置くことになった売れないシンガー・ソングライターのジャック(ヒメーシュ・パテル)が、彼らの名曲の数々を歌ってスターダムにのし上がるうちに“本当に大切にすべきもの”と向き合うことになる姿を描いた作品だ。
アナが演じたのは、アメリカ進出を果たしたジャックが出会うことになる芸能人のロクサーヌで、ジャック、彼の幼なじみのエリー(リリー・ジェームズ)と“三角関係”になるキャラクター。二人はトーク番組「レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン」のゲストとして顔を合わせ、司会のジェームズ・コーデンから「即興で何か(Something)曲を作ってもらえませんか? 例えばロクサーヌについての曲とか」と求められたジャックが、「Something」の弾き語りをしてロクサーヌをうっとりさせるというシーンもあったが、全てカットされた。
脚本を担当したリチャード・カーティスは映画の公開当時、アナの出演シーンを全てカットすることは「本当にトラウマ的な経験だった。なぜなら彼女は素晴らしかったから」とCinemaBlendに語っていた。テスト試写の観客はジャックとエリーの物語を気に入ったがゆえに、ジャックが魅力的なロクサーヌに目移りする展開が許せなかったようで、カーティスは「彼女は本当に輝いていたのだが、それが問題になってしまった」「あれは僕たちのお気に入りのシーンの一つだったが、全体のためにカットせざるを得なかった」と説明している。(編集部・市川遥)