上白石萌音、舞台「千と千尋の神隠し」に覚悟と責任「後戻りできない」
女優の上白石萌音が9日、都内で行われた舞台「千と千尋の神隠し」製作発表会見に出席。主人公の千尋役で橋本環奈とWキャストを務める上白石は、プレッシャーを抱える中でも大役を成し遂げたいという覚悟の思いを打ち明けた。
本作は、2001年の公開以降、爆発的な大ヒットを記録し、2003年には米国アカデミー賞長編アニメ映画賞に輝いた宮崎駿監督(「崎」は「たつさき」)によるアニメーション映画『千と千尋の神隠し』の初の舞台化作品。登壇した上白石は「後戻りができないところに来たんだな、という思いです。いよいよ始まる……という高揚の中にいます」と興奮を隠せない様子。
子供の頃から千尋に似ていると言われていることも明かすと、「目が離れているところがすごい似ていると思うので、わりと(ビジュアルは)しっくりきました。内面も千尋に寄っていけるように頑張りたい」と意気込んだ。とはいえ、舞台慣れしている上白石でも、注目作ゆえの「プレッシャーを拭うことはできない」そうで、「リスペクトと覚悟と責任を持って演じたいと思います」と襟を正していた。
一方の橋本は、「(ビジュアル看板)撮影の時は新しい体験でワクワクドキドキしていましたが、実際に見ると、本当にやるんだなという実感が湧いてきます。千尋役を演じさせていただくのは光栄です」と笑顔。本作が初舞台となるため、「右も左も、上も下も、何もわからない状態なので、皆さんの背中を見て何でも吸収して、真っすぐにぶつかっていきたいです」と初々しい姿を見せるが、「萌音ちゃんは年上ということもあり支えてもらっているので、ついて行きつつ、わたしも皆さんのことを引っ張っていける存在に変わっていけたら」と頼もしい一面ものぞかせる。しかし、「これだけの光景は(見たことが)ない」という報道陣の数に、「今まで緊張したことがないと思っていましたが、初めて緊張を感じています。何をしゃべったか、帰ったら覚えていないんじゃないかな」とはにかむ姿もあった。
初タッグの二人。橋本は、「プライベートでは妹の萌歌と仲が良く、(萌音の)話を聞いていて、ずっとお会いしたいと思っていた」そうで、「大人びているのに純粋、優しいんだけど力強さがある紳士的な目で見てくださる。一緒に走っていけると思うと心強いです」と告白。上白石は、「名実ともに若い人たちの先頭を切っている勇ましさがあります。この相方なら、全てを委ねられるという安心感があります」と信頼を寄せていた。
会見には、翻案・演出のジョン・ケアード、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー、ハク役の醍醐虎汰朗/三浦宏規、カオナシ役の菅原小春/辻本知彦(「辻」のシンニョウは点1つ)、リン/千尋の母役の咲妃みゆ/妃海風、釜爺役の田口トモロヲ/橋本さとし、湯婆婆/銭婆役の夏木マリ/朴路美(「路」は「王へんに路」)、兄役/千尋の父役の大澄賢也、今井麻緒子(共同翻案・演出補佐)、池田篤郎(東宝常務執行役員演劇担当)も出席した。舞台「千と千尋の神隠し」は2022年2月・3月の東京・帝国劇場を皮切りに、4月大阪、5月福岡、6月札幌、6月・7月名古屋で上演。(錦怜那)