『マトリックス』新章のモーフィアスは過去とは違う存在?新キャストが明かすヒント
映画『マトリックス』シリーズ最新作『マトリックス レザレクションズ』に出演するヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世が、その多くが謎に包まれている、ローレンス・フィッシュバーンから一新されたモーフィアス役について、新作のヒントと共に語った。
『マトリックス』3部作におけるモーフィアスは、主人公ネオ(キアヌ・リーヴス)を人類の救世主と信じ、彼に世界の真実を告げる需要な存在。人類を支配する機械との戦いにおいても、強固なリーダーシップを発揮するリーダーを、ローレンスがカリスマ性たっぷりに演じた。
本作でモーフィアスを演じるヤーヤは、『アクアマン』『キャンディマン』など話題作への出演が続く期待の若手。一部では、若き日のモーフィアスを演じるとも報じられていたが、ヤーヤはこれを否定する。「僕が演じているのは、若いころのモーフィアスというわけじゃない。(ローレンスが演じた)オリジナルのモーフィアスの事は認識していて、彼が歩んだ歴史も把握しているけど、これまでとは違う独立した存在なんだ。僕の言っている意味がわからないと思うけど、映画を観たらわかってもらえるよ。『マトリックス』の世界は、何でも可能だからね」
頼れるリーダーにして、人間を圧倒するエージェント相手に善戦する達人でもあったモーフィアス。この役に挑むにあたってヤーヤも、かなりのトレーニングを積んだという。「今までにないくらい、強烈に自分を追い込んだね。格闘技でいうと、空手、テコンドー、柔術、僕の場合はボクシングも学んだ。全くゼロの地点から、スキルを積み上げていったんだ」。
『レザレクションズ』の予告編には、道場におけるネオとモーフィアスのファイトシーンも登場する。1作目をほうふつさせる場面でもあり、ヤーヤは「物語のなかでも重要なシーンなんだ」と明かす。「道場のシークエンスだけで、1か月は訓練したかな。キアヌが、(アクションチーム)87イレブンのメンバーと一緒に、お手本になって引っ張ってくれた。自分でもやれるだけ頑張ったし、個人的にも誇らしく思っているアクションだよ。1作目の場面と比較されるかもしれないけど、僕らの仕事は前作を越えることではなくて、物語に寄与するシーンを作ることだった。だから、みんなが気に入ってくれたらうれしいね」
その多くが謎に包まれ、正統な続編なのか、パラレルワールドなのか、ファンの間で憶測が飛び交っている『マトリックス レザレクションズ』。同作についてヤーヤは「野心的でありながら、とても人間的な物語でもある」と語っている。
「きっとみんなが想像する以上に、共感できる内容になっていると思う。『マトリックス』らしいハイコンセプトな作品でありながら、地に足がついた普遍的な物語でもあるんだ。初めて3部作を観た時の僕はまだ幼くて、SF要素やファイトシーンにばかり目がいっていた。大人になった今は、そのテーマ性に惹かれるけどね。今回は、アクションや革新的な映像といったみんなが大好きな『マトリックス』の要素をカバーしながら、人間味のある作品になっているよ。きっと観た後で、何て温かい物語なんだって感じられる、サプライズを込めた映画になるんじゃないかな」(編集部・入倉功一)
映画『マトリックス レザレクションズ』は12月17日より全国公開