小川洋子「ホテル・アイリス」映画化 永瀬正敏が台湾の新人女優と共演
小川洋子の小説「ホテル・アイリス」が映画化されることが発表され、2022年2月18日より劇場公開されることが明らかになった。主演を永瀬正敏が務め、台湾の新人女優・陸夏（ルシア）と共演を果たす。
本作は、1991年に「妊娠カレンダー」で芥川賞を受賞し、これまで「博士の愛した数式」「薬指の標本」などの映像化でも知られる小川の「ホテル・アイリス」をもとに、少女と老人の純愛とエロティシズムを描く日台合作映画。寂れた海沿いのリゾート地で、日本人の母親が経営するホテル・アイリスを手伝うマリ。嵐の夜、階上に響き渡る悲鳴を聞く。女に暴力と罵声を浴びせ立ち去る男に衝撃をうけながらも、激しく惹かれていく彼女は、やがて男が住む離れ小島へ導かれ、二人だけの禁断の世界にのめり込んでいく。
主演の永瀬が演じるのは、大人の男の色気をまとうミステリアスなロシア文学翻訳者。マリ役を務める陸夏は、台湾でモデルやテレビCMで活躍しており、台北映画祭では次代を担う期待の新人に授賞する「超新人賞」にも選ばれた。本作が映画初出演にして初主演となる。共演には、台湾の鬼才ツァイ・ミンリャン監督作品の常連主演俳優で知られるリー・カンション、『赤い雪 Red Snow』で永瀬とともに主演した菜 葉 菜、『菊とギロチン』などの寛 一郎、台湾映画『KANO ～1931海の向こうの甲子園～』の監督でもあるマー・ジーシャンなど、日台から俳優たちが集結する。
監督は、ロッテルダムや釡山などの国際映画祭で数々の冠に輝き、国内外で高い評価のある『波』『黒四角』の奥原浩志。クルーとして『ソウルメイト／七月と安生（チーユエとアンシェン）』『少年の君』などのデレク・ツァン監督作品で撮影監督を務めたユー・ジンピンが参加している。台湾・金門島にてオールロケが敢行された。
あわせて公開されたティザーポスターには、永瀬と陸夏の愛のシーンがフィーチャーされ、コピーの「かがみのなか・わたしとあなた・あいのはて」という言葉が添えられている。このポスターのデザインは『戦場のメリークリスマス リバイバル版』『黒衣の刺客』なども手掛けた成田慧によるもの。（編集部・大内啓輔）