トム・ホランドがスパイダーマンになるまで マーベル・スタジオ社長が発掘した逸材
映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2022年1月7日全国公開)のプロデューサーを務めるマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)でスパイダーマンを演じるトム・ホランドのキャスティング秘話を明かした。
【画像】新スーツも登場!『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』
実写映画におけるスパイダーマンはこれまで、トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールドという実力派が演じてきた。二人が主演を務めるシリーズは、映画化権を持つ米ソニーが製作を務めたが、2015年にMCUを展開するマーベル・スタジオと提携契約を結んだことで、映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)からスパイダーマンのMCU入りが可能となった。
「制作プロデューサーのエイミー・パスカルに会って、スパイダーマンの映画を一緒に作り、MCUに登場させようと最初に打診したとき、そして彼女とソニーの了解を得て、(ソニー・ピクチャーズのCEO)トム・ロスマンが参加し信じてくれたとき、大きなプレッシャーだった。人々にイエスと言ってもらうことと、自分が話していたことを実現するというのは別のことだ」と当時を振り返ったファイギ社長。『シビル・ウォー』でのスパイダーマン登場に向けて、一緒に成長していける、他のマーベルヒーローと対等に演じることができる最年少のピーター・パーカー役にふさわしい俳優探しが行われた。
「当時『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』はすでに撮影中だったが、ピーター・パーカーをキャスティングしてこの作品の最初の撮影に参加させることができるかどうかわからなかった。しかし、我々はそのために全力を尽くしたかった」とファイギ社長。そこで、ピーター役候補の俳優5人を撮影地に派遣し、ロバート・ダウニー・Jr.(アイアンマン役)やクリス・エヴァンス(キャプテン・アメリカ役)と台本の読み合わせを実施し、候補者を絞っていった。そこでファイギ社長の目に留まったのがトム・ホランドだ。
「トム・ホランドは素晴らしいピーター・パーカーであるだけでなく、信じられないほど素晴らしいスパイダーマンであることが明らかになったんだ。彼は俳優としての素晴らしい才能と、優秀な体操選手とスタントパフォーマーとしての能力の両方を持っていたからだ。それは嬉しいボーナスであり、我々を驚かせ続けている」。
青春真っ只中のピーターを体現できる演技力と、卓越した運動神経が評価されたトム。「彼はエヴァンスの目の前で大宙返りをして、とても驚かせたことを覚えているよ。目の前で起きたことが信じられなかったようだね」と振り返ったファイギ社長は、「若きトム・ホランドとロバート・ダウニー・Jr.が初めて交流したときに起こる強力な化学反応は、まさに若きピーター・パーカーとトニー・スタークが初めて交流するときのものだった」とトムが生まれ持つスパイダーマンとしての素質を絶賛している。(編集部・倉本拓弥)