小松菜奈、1年かけた主演作完成で涙…撮影後は「抜け殻状態」
女優の小松菜奈が24日、丸の内ピカデリーで行われた映画『余命10年』ジャパンプレミアに出席し、約1年の歳月をかけて撮影した作品が完成を迎え、感極まって涙を流す一幕があった。イベントには、坂口健太郎、山田裕貴、奈緒、黒木華、原日出子、松重豊、藤井道人監督も登壇した。
本作は、発売以来SNSを中心に大きな反響を呼んでいる、故小坂流加さんの原作小説を、『新聞記者』などの藤井監督が映画化。数万人に一人という不治の病を患い、余命10年と宣告された女性・高林茉莉(小松)は、絶対に恋をしないと誓っていたが、同窓会で真部和人(坂口)と再会し、次第に心惹かれていく。
余命を宣告される役に「病状が悪化していくこともあり、常に減量をしていました」と明かした小松は「茉莉のつらさは理解できないかもしれませんが、いっぱいいっぱいになってしまう茉莉の気持ちや苦しさを、少しでも消化できればと思って臨みました」と役への思いと、その向き合い方を明かす。
撮影は、移ろいゆく四季を映し出すべく、約1年の月日をかけて行われた。「お話をいただいてから、本当にいろいろな物語がありました。そんななか、こうして完成することができたこと、そしていまここに立てていることを本当にうれしく思っています」と語った小松は、感極まって涙を流す。
それほど小松にとって大切な作品だったようで「茉莉という役を演じ終えたあとは、抜け殻状態でした。燃え尽きたなという気持ちが大きく、すぐに次の仕事に進めないぐらい、不思議な時間でした」と振り返ると「自分の人生と茉莉の人生が重なってしまうこともありました。大好きな現場でしたし、わたしにとってはかけがえのない宝物になりました」と語っていた。
作品にかけた熱い思いを告白した小松に、母親役の原も「見る見るうちに痩せていく菜奈ちゃんを見て心配になっちゃいました」と涙。公私ともに小松と親交があるという奈緒も「すごく大変な減量をしながら、作品に真剣に向き合っている姿を隣で見ながら、仲間としても友だちとしても格好いいなと思っていました」と感極まっていた。(磯部正和)
映画『余命10年』は3月4日より全国公開