名演に戦慄…Netflix「新聞記者」に映画版と同じキーパーソン!
米倉涼子主演のNetflixシリーズ「新聞記者」(配信中)から、新たな劇中カットが公開された。綾野剛演じるエリート官僚と、田中哲司演じる上司の内閣情報調査官との“内調”でのシーンを切り取ったもので、2019年公開の映画版でも田中が同じキャラクターにふんしていた。
本作は、第43回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を含む主要3部門を獲得した映画『新聞記者』をリブートし、全6話でドラマ化。“新聞業界の異端児”と呼ばれる主人公の東都新聞社会部記者・松田杏奈に米倉涼子、理想を抱きつつも組織の論理に翻弄される若手官僚・村上真一に綾野剛、そして新聞配達をしながら大学に通う就活生・木下亮に横浜流星。監督は映画版に引き続き、藤井道人が務める。
公開された劇中カットは、村上と彼を言葉巧みに追い詰める上司・多田の場面。キャストは一新されたが、唯一映画版と共通して登場するのが田中哲司演じる多田だ。映画『新聞記者』では松坂桃李演じる若手エリートの杉原と対峙していた。多田は“敵”とみなした者は完膚なきまでに叩き潰す完璧主義者で、相手の全てを見通しているかのような鋭い視線が特徴的。悪夢にみそうなほど恐ろしい男だ。ドラマ、映画、舞台、いずれも驚くほど役幅が広い田中が、現在放送中のドラマ「真犯人フラグ」や「となりのチカラ」(※ナレーション)とはガラリと異なる、感情を排した名演を見せている。
藤井監督は映画版に続き、多田役に田中を起用した理由について「本作において内調とは“国”という人間の姿をした人間でない大きなものを担っているポイントなので、そこだけ偶像的な空間で多田が抱えている国の大儀を誰かに譲ることが考えられず、ある意味ラスボスとして同じにしました」とコメントしている。
一方、田中と対峙する綾野の鬼気迫る熱演も見もの。多田に心身共に追い詰められていく村上の姿は思わず目を覆いたくなるほど痛々しく、倫理と使命のはざまで揺れ動く葛藤は圧倒的なリアリティーをもって迫る。綾野はその過程を表現するため、4日間水も食べ物も絶つ肉体改造を行ったという。(編集部・石井百合子)
Netflixシリーズ「新聞記者」は全世界同時独占配信中