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笠松将、俳優業を辞めようと思っていた 2年前からの心境の変化を明かす

本作にかけた思いを明かした笠松将
本作にかけた思いを明かした笠松将

 俳優の笠松将が19日、都内で行われた映画『リング・ワンダリング』の初日舞台あいさつに出席し、本作の撮影時の心境などを振り返った。壇上には共演者の阿部純子金子雅和監督も登壇した。

【動画】圧巻の映像美!『リング・ワンダリング』予告編

 本作は、絶滅したニホンオオカミを題材にした漫画に着手しながら、肝心のオオカミをうまく形にできずにいた漫画家志望の草介(笠松)がある日、逃げ出した犬を探す不思議な娘・ミドリと出会い、過去と現在が交錯していく幻想譚。初長編映画『アルビノの木』が海外の映画祭で20もの受賞を果たした金子監督がメガホンをとった。

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 撮影がコロナ禍以前の2年前に行われたという本作。笠松は当時を振り返って「僕、(当時)この作品でお仕事をやめようとしていたんです」と当時の心境を明かす。「自分には向いていないなって。僕の精一杯は届かない。だから、この仕事(本作の撮影)を一生懸命やろうって」という決意を持って撮影に臨んだことを打ち明けた。

 笠松は「自分の価値観が変わる前で、がむしゃらに一生懸命やっていた時の最後の作品でもあります。2年経って、こういう場(舞台あいさつの場)があって、コロナの時期だけど嬉しい気持ちです。感慨深いです」と語る。また、本作で演じた漫画家を目指す主人公への共感もあったといい、「僕のこの仕事の仕方と似ていて、(主人公が)基本的に僕。漫画を描いているけどうまくいかない、探し物が見つからないというのが近いなって。無理なく等身大でやれました」と振り返った。

 また、笠松は阿部と本作で初共演。「撮影中、そんなにお話をしていない。ほとんどしていない。お芝居に関わるだけのことを最低限話させてもらった。朝から晩まで大自然の中で撮影していると、疲れて寝てしまったりすることもあったけど、阿部さんがこっそり栄養ドリンクを買ってくださったりして優しい人だなって」と阿部の印象も紹介する。

 阿部も笠松について「縁の下の力持ち」と紹介。「全体のチームを引っ張ってくれる様な存在でした。私をおんぶして歩くシーンがあったんですけど、何段もある階段を登ったり降りたりするのに全然弱音を吐かず、この映画も私自身も背負ってくれた」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)

『リング・ワンダリング』は渋谷シアター・イメージフォーラムほかにて全国公開中

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