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「カムカム」約30年の時を経て算太が再登場!年を重ねても変わらぬ魅力

約30年の時を経て算太が再登場!
約30年の時を経て算太が再登場! - (C) NHK

 第17週に突入した連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土、NHK総合・午前8時~ほか、土曜は1週間の振り返り)。第79回では「安子編」のヒロインである安子(上白石萌音)の兄・橘算太(濱田岳)が、およそ30年ぶりに姿を見せ、安子の孫にあたる三代目ヒロイン・ひなた(川栄李奈)と出会うシーンが描かれた。この算太の登場について、演出を務めた安達もじりが解説した。

【写真】変化に注目!「カムカムエヴリバディ」第32回の算太(濱田岳)

 連続テレビ小説の第105作「カムカムエヴリバディ」は、昭和から令和にわたる時代をラジオ英語講座と共に歩んだ祖母・母・娘、3世代の親子の100年を描いた物語。濱田ふんする算太は岡山の和菓子屋「たちばな」の長男として生まれ、あと継ぎとして期待されていたが、映画館でチャールズ・チャップリンの『黄金狂時代』を鑑賞したことをきっかけにダンサーを志し、家を出たのだった。

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 その後は紆余曲折があり、一度は実家に戻ってきたものの、多額の借金があることが発覚し、父である金太(甲本雅裕)から勘当されて行方不明に。1943年には赤紙が届き出征。1948年のクリスマスに復員し、安子の嫁ぎ先である雉真家に住み込み、安子と共に「たちばな」再建を目指す算太。しかし、雉真家の女中との恋に破れて自暴自棄になった算太は、ここでも安子が頑張って働いた金を持ち逃げし、再び消息不明になっていた。

 そこから約30年ぶりに登場した算太。安達は「年齢的には60代ぐらいです。濱田さんは、かなり実年齢より上になるので『大丈夫ですかね』と仰っていましたが、老けメイクをしつつ、ちょっとした動きや姿勢などを探りながら、とても上手に演じてくださいました」と濱田の芝居を称賛する。

 その算太は劇中、二代目桃山剣之助(尾上菊之助)が条映太秦映画村のCM撮影を行っているときに「いけん! いけん、いけん、いけん! こないなもの、一個もおもろない」と大声で演出に不満を言いながら登場すると、斬新な振付を提案する。

 安達は「物語には描かれていませんが、基本的に30年間、彼が育ったダンスホールでの経験を活かして生きてきた人。時代も大きく変わるなか、いろいろと苦労もあったでしょうが、いまは振付師をしているという設定はお話ししました。ただ、すごく売れている振付師ではないイメージです」と語る。60代にしてはかなりの老け方に「やっぱり1980年代のころの60代というのは、今より年配のイメージがありました。ほかのキャラクターとの年齢を考えたとき、あれぐらい老けていた方がいいのかなと。濱田さんが見た目にも若い方なので、より年齢を強調した方が、演じるうえで拠り所になるというのもありました」という。

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 また、モモケンが華麗にダンスを踊るシーンについて「台本を読んだとき、まさかモモケンが踊るとは、と驚いたのですが、とてもワクワクしていました。菊之助さんがとても前向きにやってくださって、素敵なシーンになりました」と完成度の高さに舌を巻く安達。「この場面は算太が再登場する最初のシーンで、濱田さんも久々で不安だったようですが、モモケンのダンスを見たときに、算太が過去に踊っていた振りに近いものだったので『ちゃんと算太が生き続けていたんだと泣きそうになりました。勇気をもらいました』と仰ったんです」と明かし、世代をまたいで描かれる本作ならではのシーンになったという。

 さらに、算太の再登場については「(脚本家の)藤本有紀さんのなかに『最大限に効果的なかたちで登場させたい』という強い思いがあったので、どこで登場させるかはすごく難しかった」と胸の内を明かす。「算太が登場することの意味合いが、押し付けがましくないところが彼の持ち味なんです。相変わらずの算太が見られると思います」。今後、どのようなかたちで算太が物語をかき回すのか、期待が高まる。(磯部正和)

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