祝50歳!ドウェイン・ジョンソンは安心安全Gマークの男
5月2日は、ロック様こと『ワイルド・スピード』シリーズなどで知られる俳優ドウェイン・ジョンソンの誕生日。めでたく50歳になる彼は、大スターの道をまい進中だが、その出演作にはある共通点がある。それは、映画のレイティング(年齢による鑑賞制限)。出演作のほとんどが、日本のレイティングの「G」(誰でも鑑賞可能)なのだ。
もともと俳優志望ではなかったドウェインは、高校時代とマイアミ大学時代はアメリカン・フットボールの選手だった。しかし、希望チームに入団できず断念して、プロレスラーに転向。昔からプロレスとは縁が深く、彼の父ロッキー・ジョンソンも、母方の祖父ピーター・メイビアも人気レスターだった。最初はロッキー・メイビアというリングネームで登場したが人気が出ず、ザ・ロックと名前を変更してイメージも変え、毒舌ドークで人気を集めて、世界最大のプロレス団体WWE(World Wrestling Entertainment)を代表する大人気プロレスラーになる。この経験が、ドウェインにイメージ戦略の重要さを痛感させ、その後の出演作選びに影響を与えたのかもしれない。
人気プロレスラーになったドウェインは、俳優業にも進出。2000年にテレビ「スター・トレック/ヴォイジャー」シーズン6第15話のゲスト出演などを経て、2001年の『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』で映画デビュー。この映画で彼が演じた登場人物スコーピオン・キングが人気を集め、2002年に彼が主人公のスピンオフ映画『スコーピオン・キング』も製作された。以後、ドウェインはヒット街道を驀進していくことになる。
そして、大ブレイク作となったのが2011年の『ワイルド・スピード MEGA MAX』。このシリーズはその後も『ワイルド・スピード EURO MISSION』(2013)、『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)、『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017)と出演し、スピンオフ『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019)にも出演。並行して『カリフォルニア・ダウン』(2015)、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(2017)と続編『ジュマンジ/ネクスト・レベル』(2019)、『ランペイジ 巨獣大乱闘』(2018)、『スカイスクレイパー』(2018)、『ジャングル・クルーズ』(2020)と快進撃は続く。そして、これらのヒット映画はすべてレイティングが「G」なのだ。
言い換えれば、ドウェイン・ジョンソン出演作のほとんどは、誰もが安心して楽しめるアクション大作。つまり、彼が意識してそういう作品を選んでいるということだろう。ひょっとしたら、彼にとっては例外的なR-15作品のSFホラー映画『ドゥーム』(2005)が興行的に失敗し映画ファンにも批判され、彼自身もゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)のワースト主演男優賞にノミネートされたことが、R指定映画を避ける理由になっているのかもしれない。
このように大ヒット作の続くドウェインは、米誌フォーブスの長者番付の常連。2022年の「最も稼いだエンターテイナーたち」ランキングでも、WETAデジタルの売却で稼いだピーター・ジャクソン、人気ミュージシャンのブルース・スプリングスティーン、ラッパーのジェイ・Zに続く第4位にランクインし、俳優部門では1位となる。
また、家庭生活も順調で、2019年に12年来の恋人だったシンガーのローレン・ハシアンと、人生2度目となる結婚をした。そして、2人の娘である6歳のジャスミンと、4歳のティアナをかわいがっている様子を、頻繁にインスタグラムにアップしている。娘がドウェインの顔に落書きをしたり、娘と一緒にままごとをしたりと、ワイルドな見た目とギャップのあるほほ笑ましい姿を垣間見ることができる。
今後も話題作が待機中。まず、主演するDCコミックス映画『ブラックアダム(原題) / Black Adam』は、『ジャングル・クルーズ』で組んだジャウマ・コレット=セラが監督して撮影済みで、2022年全米公開予定。さらにロバート・ゼメキスが監督し、ドウェインがハワイ王国の初代国王カメハメハを演じる『キング(原題) / The King』、そのほかにも、自身のヒット作『カリフォルニア・ダウン』の続編企画などが発表されている。これからもGマークの男、ドウェイン・ジョンソンの快進撃は続きそうだ。(文・平沢薫)