「アバランチ」悪役で注目!木幡竜、主演映画で10キロ減
綾野剛主演ドラマ「アバランチ」で“最狂の敵”役を務めて注目を浴びた木幡竜(45)が14日、都内で行われた主演映画『生きててよかった』の公開記念舞台あいさつに登壇し、ボクサーを演じるにあたっての過酷な役作りや疲弊したという撮影現場を振り返った。この日は、共演の鎌滝恵利、今野浩喜、鈴木太一監督も来場した。
本作は、ドクターストップにより引退したボクサー・楠木創太(木幡)が社会に馴染めず苦しい日々を送る中、大金を賭けて戦う地下格闘技に挑戦することになり、かつての闘争心を呼び起こす姿を描いたアクション映画。元プロボクサーでサラリーマンを経て役者に転身し、数々の中国映画に出演してきた、いわゆる“逆輸入俳優”の木幡が主人公を演じる。
企画が誕生したのは6年前だそうで、木幡は「最初に脚本ができたときはギリギリ30代で、その時でも腰が痛くなるくらい、どれだけ動かなければいけないんだろう……と思った」と振り返りつつ、「40代半ばにして地獄のトレーニングを重ねて撮影しました。なんとかできてよかったです」と笑顔を見せた。
創太の妻・幸子を演じる鎌滝は「監督とただ話すだけだった」というオーディションを思い返し、「すごい塩対応だったので落ちたと思った」と打ち明けるが、現場では「ちゃんと意思を確認してくださった」と感謝を示す。そんな鎌滝に対して、木幡は「バトルセックス」と呼んでいたシーンをあげ、「監督の明確な要求があった、すごい難しい敏感なシーンで、僕なんかよりもすごい疲弊していたけど、最後まで食らいついていた。スゲーなと思ったのは、8分くらいの長回しですが、5回も6回もやって、もういいだろうと思ったら『もう1回やらせてくれ』と言ったので、おー! と思った」と感心。
鈴木監督も1時間の休憩を挟むなど、鎌滝をフォローしながら撮影をしていたことを話すと、鎌滝は「ありがたかった」と頭を下げる一方、「大変で記憶から(飛んでいた)」とはにかむ姿もあった。
逆に鎌滝は「最後の地下格闘技のシーンがおぞましい。木幡さんが本当に格闘家で、お芝居どうこうではなく、みなさん本気でアクションをやられていたので印象に残っています」と目を丸くする。木幡は「あまり記憶がない中で覚えているのは、乱闘のシーンで本当に疲れて倒れ込んでいるのをスタントマンが起き上がらせるんですね。(僕を)立たせたところを見せたいのだろうけど、脱水症状もあり力がなくなっていたし、スタンドインでもわからないシーンでも僕でやっていたので本当に疲弊しました」と吐露。
また、「体重は今から10キロくらい痩せていた」とも明かすと、「普通のボクサーなら53.5キロのリミットがあったら、そこに入るのは一日のうちの一瞬で、計量が終わったら食べていいけど、撮影だとずっと同じ体重をキープしなければいけないので、僕の中での新境地。だんだんハイになってきました」と人生初の体験をしみじみと語っていた。(錦怜那)