『裏切りのサーカス』トーマス・アルフレッドソン監督、新作はクライムコメディー！9月に日本公開

　『ぼくのエリ 200歳の少女』『裏切りのサーカス』などのトーマス・アルフレッドソン監督の新作映画『THE JONSSON GANG（英題）』の邦題が『ギャング・カルテット　世紀の怪盗アンサンブル』に決定し、9月2日より日本公開されることが明らかになった。メイン写真もあわせて公開された。

　本作は、とぼけた愉快な窃盗集団の大胆不敵な一大プロジェクトを痛快に描いた、アルフレッドソン監督が手掛ける初めてのコメディー作品。 原案は1980年代からスウェーデンで子どもから大人までを魅了してきた伝説の人気コメディー映画シリーズ
「イェンソン一味」。日本でいう「ルパン三世」のように、スウェーデンの子どもたちが夢中になって視聴し、それを見ながら育った国民的人気を博す怪盗団シリーズである。

　チャールズ・イングヴァル・イェンソン（通称シッカン）は、スウェーデン髄一の凄腕金庫破り。だが、とある現場で失敗し刑務所に服役する。出所後に次の獲物の準備を企んでいたシッカンだが、仲間たちは犯罪から足を洗うと言い出し、次のお宝「フィンランドの王冠」はシッカンのみで遂行することになってしまう。一方、その王冠にまつわる伝説の石の行方を追って、フィンランドの運命を左右する野望が動き始めていた……。舞台はスウェーデン伝統の夏至祭りの前日、白夜のストックホルム。フィンランド大統領、王座を夢見る男、暗躍する大企業の重役、謎の大富豪。様々な思惑が絡むなか、シッカンは去って行った仲間たちを連れ戻し、目的のお宝を入手できるのか。

　人気シリーズの最新版を手掛けることになったスウェーデン出身のアルフレッドソン監督もまた、子ども時代から「イェンソン一味」を観て育った大ファン。監督の代名詞ともいえる映像美と緩急のある演出で、シックで洒落たクライムコメディーに仕上がっている。 共同脚本および主人公シッカン役にはスウェーデンで数多くのテレビ番組に出演する国民的コメディー俳優のヘンリック・ドーシン。スウェーデンの映画賞であるゴールデン・ビートル賞助演男優賞にノミネートされるなど、評価されている。入念なリサーチと驚愕のアナログテクで、狙った獲物は逃がさないとぼけた中年男を演じている。（編集部・大内啓輔）