エルヴィス役を推薦していた超大物俳優とは?
映画『エルヴィス』(公開中)のバズ・ラーマン監督が来日インタビューに応じ、ある大物俳優から主演のオースティン・バトラーを推薦されたことを語った。
『ムーラン・ルージュ』『華麗なるギャツビー』のラーマン監督が42歳の若さで亡くなったスーパースター、エルヴィス・プレスリーの半生を映画化した本作。エルヴィス役には、テレビドラマや映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』などに出演してきたオースティンが大抜てきされた。
「最初にオースティンを知ったのは、彼が送ってきたテープを見たときだった」とラーマン監督は振り返る。オースティンはエルヴィス役をつかむため、まだオーディションが始まらないうちに、エルヴィスが歌ったことで知られる「アンチェインド・メロディ」をピアノで弾き語りしたビデオをラーマン監督に送っていたそうだ。
そんなある日、ある俳優からラーマン監督のもとに1本の電話が入った。その人物とは、2度のアカデミー賞受賞経歴を持つデンゼル・ワシントンだ。オースティンとは2018年の舞台「氷人来たる」で共演していた。「デンゼルとは直接の知り合いではないんだけど、突然電話をしてきて、『彼(オースティン)は誰よりも仕事熱心だ』と薦めてくれたんだ」とラーマン監督は言う。
その言葉通り、オースティンは役づくりに2年を費やし、エルヴィス役を見事ものにしてみせた。ラーマン監督もオースティンに決めた理由は「映画を観てもらえばわかると思う」と太鼓判を押し、「実はエルヴィスの妻プリシラは、オースティンが本当にエルヴィスを演じられるか疑問に思っていたようだった。でも映画を観た後、『こんなにエルヴィスになりきれる人は他にいない。もし夫が生きていたら、君こそ僕だ! って言うと思う』と言ってくれたんだ」と明かした。(取材・文:編集部・中山雄一朗)