小雪『桜色の風が咲く』で12年ぶり映画主演
小雪が11月4日より全国順次公開される『桜色の風が咲く』で、12年ぶりに映画主演することが明らかになった。
本作の主人公は、教師の夫、3人の息子とともに関西の町で暮らす令子。末っ子の智は幼少時に視力を失いながらも、家族の愛に包まれて天真爛漫に育つ。やがて令子の心配をよそに東京の盲学校で高校生活を謳歌するが、18歳のときに聴力も失う。
暗闇と無音の宇宙空間に放り出されたような孤独にある息子に立ち上がるきっかけを与えたのは、令子が彼との日常から見いだした“指点字”という新たなコミュニケーションの手段だった。智のモデルは9歳で失明し、18歳で聴力を失いながらも世界で初めて盲ろう者の大学教授となり、東京大学の教授として教鞭をとっている福島智さんだ。
自身も3人の子供を育てる小雪は「初めて台本を読ませて頂いた時の、圧倒的な親子のエネルギーの詰まった魂に衝撃を覚えたことを今でも覚えています。福島先生のたおやかさの中に芯のある強さを感じ、それを支えるお母様のご苦労も想像を超えるものだったかとお察ししました。障がい者というと、人は憐れみや同情を思い浮かべるかと思われがちですが、希望そのものだと私は感じています。世の中が不安定な中、この作品が皆様にとって光の道筋となるような、ご覧になった方々の明日を生きる活力のエッセンスになりますように」とコメント。
智の青年期を演じるのは『るろうに剣心』(2012)の明神弥彦役など子役から活躍し、最近ではNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」で片岡鶴太郎ふんする平良三郎の若かりし頃を演じた田中偉登(たけと)。『パーフェクト・レボリューション』の松本准平監督がメガホンを取り、吉沢悠、リリー・フランキー、朝倉あきらも出演する。(編集部・中山雄一朗)