鈴木亮平主演『エゴイスト』東京国際映画祭コンペ出品 新キャストに阿川佐和子ら
高山真の自伝的小説を映画化する『エゴイスト』(2023年2月公開)が、10月24日より行われる第35回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されることが決定した。併せて、阿川佐和子、中村優子、和田庵、柄本明の出演が発表され、ティザービジュアルも公開された。
本作は、14歳で母を失い、田舎町でゲイである自身を押し殺しながら思春期を過ごした東京在住のファッション誌編集者・浩輔を主人公にしたストーリー。浩輔に『孤狼の血 LEVEL2』の悪役も記憶に新しい鈴木亮平、彼が惹かれていくシングルマザーの母を支えながら暮らすパーソナルトレーナーの龍太に朝ドラ「ちむどんどん」も話題の宮沢氷魚がふんする。監督は、『トイレのピエタ』『ハナレイ・ベイ』などの松永大司。
新たに発表されたキャストは4名。女手一つで龍太を育てた母・中村妙子に、エッセイスト、小説家、タレントの阿川佐和子。浩輔と龍太をつなぐ重要な役どころで出演する阿川は、「数少ない私の演技経験の範囲で申し上げるのは僭越ながら、この映画と、そして松永監督率いるすべてのスタッフと関われたことは、私にとってかけがえのない宝物として心に刻み込まれました。軽々には捉えにくい愛の世界を前にして、これほど素直になれ、これほど美しいと思えることは、なんと豊かで幸せなのでしょう」とコメントしている。
中学時代の浩輔を演じるのは、映画『茜色に焼かれる』で主人公の息子を演じ、第95回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞を受賞した和田庵。浩輔が14歳の時に亡くなった母・斉藤しず子役に中村優子、浩輔の父・斉藤義夫役に柄本明が決定している。
まるで自分を守る鎧のようにハイブランドの服に身を包み、気ままながらもどこか虚勢を張って生きている浩輔と、初めは戸惑いながらも浩輔から差し伸べられた救いの手をとった、自分の美しさに無頓着で健気な龍太。ティザービジュアルは、そんな二人を象徴する「これ以上ない幸せな瞬間」を切り取ったもの。亡き母への想いを抱えた浩輔は、母に寄り添う龍太の姿にどこか自分を重ね、溢れんばかりの愛で包むように龍太の髪を乾かす。龍太はそれに応えるかのように、無垢な微笑みで浩輔を見つめている。(編集部・石井百合子)