クリスチャン・ベール、20キロの体重増減中も頭から離れなかった役
過激な役づくりで知られる俳優のクリスチャン・ベールが、製作総指揮も務めた新作映画『アムステルダム』で演じた楽観主義な医師バート役への思い入れの深さを語った。『ザ・ファイター』『世界にひとつのプレイブック』『アメリカン・ハッスル』などアカデミー賞ノミネート常連のデヴィッド・O・ラッセル監督が、5年以上をかけて作り上げた本作。その間、クリスチャンは『バイス』と『フォードvsフェラーリ』で体重を20キロ以上増減させているが、「いつもバートが頭から離れなかった」のだという。
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クリスチャンがアカデミー賞助演男優賞に輝いた『ザ・ファイター』、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『アメリカン・ハッスル』に続き、デヴィッド・O・ラッセル監督と3度目のタッグを組んだ本作。「デヴィッドと僕は何年もかけてこの作品を作り上げたんだ。『バイス』や『フォードvsフェラーリ』の撮影中も、まだこの映画の構想を練っていたよ。それは本当に素晴らしいことで、僕の頭の中には常にバートの存在があった。デヴィッドはその間バートについてのアイデアをくれて、バートならこういう時どうするだろうか? と考えていたんだ。だから映画の撮影を始める時には、もう骨の髄までバートが染み込んでいたんだよ」
1930年代のニューヨークを舞台にした『アムステルダム』の主人公は、バート、しっかり者の弁護士ハロルド(『TENET テネット』のジョン・デヴィッド・ワシントン)、負けん気が強いヴァレリー(『スーサイド・スクワッド』のマーゴット・ロビー)の親友3人組。ひょんなことからバートとハロルドが殺人事件の容疑者となってしまったことから、3人は殺人の濡れ衣を晴らすためにとんでもなくヤバい作戦を思い付き、世界の歴史を変えてしまうほどの衝撃的な陰謀に巻き込まれていくことになる。
クリスチャンとラッセル監督は、今まで見たことがないユニークなキャラクターを作ることを目標に、本作の舞台となる第1次世界大戦のアメリカの時代背景などを徹底的に調べていた。その中で、歴史上ほとんど知られていないドクター・シールズという人物にたどり着き、バートのキャラクターは彼がモデルになっているのだという。
ラッセル監督は「クリスチャン演じる医師のバートは、ドクター・シールズという実在した人物がモデルなんだ。僕とクリスチャンはあの時代に大きなダンスホールでのパーティに集まった人々の写真の中に、一緒にダンスしている2人の人物を見つけた。彼らは歴史には記録されていないかもしれないが、当時確かに生きていた人なんだよ。そして彼のことを調べながら、楽観主義でとてもユニークな義眼の医師バートを作り上げていったんだ」と明かしている。クリスチャンとラッセル監督がどんなユニークなキャラクターを生み出したのか、期待が高まる。(編集部・市川遥)
映画『アムステルダム』は10月28日より全国公開