『ブラックパンサー』続編で完結…MCU激動のフェーズ4をおさらい
マーベル・スタジオが展開する作品群マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェーズ4が、映画『ブラックパンサー』の続編『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(11月11日日米同時公開)で完結する。2023年に始動するフェーズ5へと移る前に、激動のフェーズ4で起きた主な出来事をおさらいする。(以下、公開済みのMCU映画・ドラマのネタバレを含みます)
【動画】新ブラックパンサー登場!続編『ワカンダ・フォーエバー』予告編
映画とリンクするドラマシリーズ誕生
マーベル・スタジオはフェーズ4より、ディズニープラスでの実写ドラマシリーズ展開を本格化。ワンダ・マキシモフとヴィジョンの数奇な新婚生活を描いた「ワンダヴィジョン」を筆頭に、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」「ロキ」「ホークアイ」「ムーンナイト」「ミズ・マーベル」「シー・ハルク:ザ・アトーニー」とバラエティーに富んだ作品を次々と配信している。
「ワンダヴィジョン」と「ロキ」は、同じくフェーズ4の長編映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の物語に影響を与えた。同様に「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は『キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー(原題) / Captain America: New World Order』、「ミズ・マーベル」は『ザ・マーベルズ(原題) / The Marvels』とフェーズ5の作品に繋がることが判明済み。作品同士のリンクが色濃いMCUの特徴を活かし、ドラマシリーズの出来事を映画にリンクさせることで、MCUの可能性をさらに広げている。
マルチバース本格化、奇跡の共演が実現
マーベル・スタジオは、フェーズ4からフェーズ6までを「マルチバース・サーガ」と名づけ、MCUにマルチバース(=いくつもの並行世界)の概念を導入した。「ロキ」でマルチバースが本格化し、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』では、並行世界から敵が登場したり、別次元を行き来するヒーローが活躍するなど、複数の世界を巻き込んだ物語がつづられた。
マルチバースによって、ファンが長年望んでいだ奇跡の共演も実現した。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では、歴代実写映画のスパイダーマン(トビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールド)がMCUに集結。トム・ホランド版スパイダーマンとの共闘が話題となった。また、『ドクター・ストレンジ』ではパトリック・スチュワートが『X-MEN』シリーズのチャールズ・エグゼビアを再演。彼が所属する秘密結社イルミナティのメンバーとして、ファンタスティック・フォーのリーダー、リード・リチャーズ(ジョン・クラシンスキー)も登場するなど、フェーズ4ならではのサプライズが連続している。
アベンジャーズ世代交代、新ヒーローが続々登場
アベンジャーズの初期メンバーが卒業していく一方で、新ヒーローも続々と誕生している。新キャプテン・アメリカにはスティーブ・ロジャースから盾を受け継いだサム・ウィルソンが襲名し、ソーの元恋人ジェーンはムジョルニアの力でマイティ・ソーへと変身。ホークアイの良き相棒ケイト・ビショップ、亡きブラック・ウィドウの意志を受け継いだエレーナ、ハルクを従兄弟に持つシー・ハルクなど、フェーズ4では“世代交代”が進んでいる。
また、次世代アベンジャーズの中核を担うであろうヒーローの活躍も目覚ましい。伝説の腕輪を操るシャン・チー、ヒーローに憧れる少女ミズ・マーベル、マルチバースを移動できるアメリカ・チャベス、太古の昔から地球を守ってきた集団エターナルズ、複数の人格を持つムーンナイトなど、どのヒーローも個性的な能力を持つ者ばかり。フェーズ6では『アベンジャーズ』シリーズ第5弾&第6弾が控えており、彼らがチームに加わる日もそう遠くはないだろう。
フェーズ4完結…『ブラックパンサー』続編への期待
「ワンダヴィジョン」から始まったフェーズ4のラストを飾る『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は、アメコミ映画初のアカデミー賞作品賞ノミネートなど、社会現象を巻き起こした『ブラックパンサー』の続編。主演のチャドウィック・ボーズマンさんは2020年に大腸がんで亡くなっており、映画でも主人公ティ・チャラを亡くし、失意のどん底に陥ったワカンダ王国と人々の姿が描かれる。
予告編では、よりスタイリッシュになった新たなブラックパンサーが登場。ティ・チャラに代わってワカンダ王国を導く者は誰なのか、早くも予想合戦が白熱している。また、アイアンマン/トニー・スタークのようにアーマーを組み立てる天才少女リリ・ウィリアムズも初登場。新ヒーロー・アイアンハートとして立ち上がる彼女は、原作コミックではトニーに続く“2代目アイアンマン”として活躍しており、今後のMCUを引っ張る人物として期待されている。また、彼女の単独ドラマシリーズはフェーズ5に組み込まれるなど、本作は次フェーズへの布石としても見逃せない作品になっている。(編集部・倉本拓弥)