吉岡秀隆、16年ぶりのコトー先生に不安あった 映画でシリーズ完結
俳優の吉岡秀隆が26日、ザ・リッツ・カールトン東京にて開催された映画『Dr.コトー診療所』(12月16日公開)製作報告会見に出席。16年ぶりにコトー先生を演じた吉岡は「もう一度戻れるのか不安だった」と胸の内を明かすも、スタッフ・キャストの熱い思いで「コトー先生に戻してもらえました」と感謝を述べた。会見には柴咲コウ、大塚寧々、高橋海人(「高」は「はしごだか」、King & Prince)、生田絵梨花、泉谷しげる、筧利夫、小林薫、中江功監督も参加した。
【写真14枚】吉岡秀隆・柴咲コウ・高橋海人・生田絵梨花ら勢ぞろい!『Dr.コトー診療所』会見
本作は、山田貴敏の人気コミックを原作にしたドラマ「Dr.コトー診療所」のシリーズ初となる劇場版。19年前に日本の西端にある志木那島にやってきたコトー先生こと五島健助(吉岡)と、彼に信頼を寄せる島民、コトー先生を支える人たちの深い絆が描かれる。
連続ドラマからは実に16年ぶりとなる続編。吉岡は自身の髪の毛を触り「こんなに真っ白になってしまって、ずいぶん時間がたったなと感じました」としみじみ語ると「もう一度戻れるのだろうかと自問自答の日々でした」と正直な胸の内を明かす。さらに「僕のなかには(続編という思いは)あまりなかった」と切り出すと「中江監督と会うたびに『五島はこうしている、和田さんはどうなっている……』みたいな話をしてくるので、徐々に自分のなかにある『Dr.コトー診療所』という作品への思いに火をつけてくれた感じです。実際現場に入る前は不安だったのですが、以前のキャスト、スタッフさんなど勝手知ったる人たちがいてくれたことで、コトー先生に戻してもらえた感じです」と心境の変化を語った。
本作で、柴咲演じる看護師の彩佳は、コトー先生と結婚し、間もなく子供が生まれるという設定になった。柴咲は「不思議と『Dr.コトー診療所』の世界って、作品が続いていなくても、志木那島でみんな生活を続けているのだろうなということが想像できるんです」と述べると「だからこそ、このお話をいただいたときは、久々の不安はありませんでした。すっと彩佳さんに入れました」と作品の持つ世界観のリアリティーを特徴に挙げる。
久々の再会となった吉岡と柴咲。吉岡は「柴咲さんはまったく変わっていない。りんとした観音様のような優しさがあります」と柴咲の印象を述べると、柴咲は「ご自身は髪の色が変わったなどと話されていますが、作品の入り方など、変わっていなかった」と懐かしそうに語っていた。
長い年月を費やした作品。中江監督は「観た方がどう思われるかはわかりませんが、一応僕のなかでは集大成であり、完結編という位置づけ。最初で最後、今後連ドラも一切行いません」ときっぱり語ると「吉岡さんともここで一回終わりにしようと話しました」とさらなる続編を否定。それを受けた吉岡は「色あせることないドラマを作ろうという思いでスタートした作品。今回の映画でそれが証明できたのかなと思います」と強い視線で前を見つめると「いまはとても不安定な時代になりましたが、ここにいるみんなは志木那島で待っています」とメッセージを送った。(磯部正和)