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三谷幸喜「笑の大学」25年ぶり上演 内野聖陽が検閲官、瀬戸康史が座付き作家役で二人芝居

瀬戸康史&内野聖陽
瀬戸康史&内野聖陽

 1996年に初演された三谷幸喜作の舞台「笑の大学」が、内野聖陽瀬戸康史の共演により、25年ぶりに上演されることが明らかになった。戦争色が濃厚になる昭和15年を舞台に、警視庁検閲係と劇団「笑の大学」座付作家の舌戦を描く密室劇で、内野が検閲官に、瀬戸が座付き作家にふんする。1996年、1998年に上演された際は三谷は脚本のみの参加だったが、今回は演出も務める。2023年2月8日からの東京を皮切りに、3月から4月にかけて新潟、長野、大阪、福岡、宮城、兵庫、沖縄で巡演される。

【画像】役所広司&稲垣吾郎共演の2004年の映画版

 本作は、警視庁の取調室の一室で、警視庁検閲係・向坂睦男(さきさか・むつお/内野)と劇団「笑の大学」座付作家・椿一(つばき・はじめ/瀬戸)、相反する立場の二人の男が繰り広げる物語。非常時に喜劇など断じて許さないとする向坂は、上演中止に追い込もうと執拗なまでの注文を繰り返すが、なんとか上演許可をもらいたい椿は向坂が要求する無理難題を逆手に取りながら書き直しに挑んでいく。

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 「笑の大学」は1996年に西村雅彦と近藤芳正の出演、山田和也の演出によりパルコ・プロデュース公演として青山円形劇場で初演。第2回読売演劇大賞で最優秀作品賞を受賞し、1998年にPARCO劇場でアンコール公演が行われ、東京・札幌・大阪・福岡の4都市56ステージを巡演。2004年に役所広司稲垣吾郎の共演により映画化もされた。ロシア語、韓国語、中国語、フランス語にも翻訳され、海外で上演され続けているが日本では1998年以来上演されておらず、PARCO劇場開場50周年という記念の年に上演が実現した。

 三谷はPARCO劇場で、40周年記念公演として「ホロヴィッツとの対話」「国民の映画」、2020年リニューアルオープン時の記念シリーズでは三谷文楽「其礼成心中」、PARCO MUSIC STAGE「三谷幸喜のショーガール」、「大地(Social Distancing Version)」などを上演している。

 内野と瀬戸、いずれも三谷作品に出演歴があり、内野はNHK大河ドラマ「真田丸」(作:三谷幸喜)、舞台「おのれナポレオン」(作・演出:三谷幸喜)などに出演。瀬戸はミュージカル「日本の歴史」(作・演出:三谷幸喜)のほか放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(作:三谷幸喜)などに出演している。

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 三谷、内野、瀬戸のコメント全文、並びに公演日程は下記の通り。(編集部・石井百合子)

三谷幸喜(作・演出)

 「笑の大学」は大好きな作品。だからこそ、託したい俳優さんに出会うまで再演はしないと決めていました。内野さんの「向坂」が見たいと思った時から、今回のプロジェクトは始まりました。そして瀬戸さんは今の僕が最も頼りにしている俳優さんの一人。この二人で「笑の大学」を上演できるというのは、僕にとって最高の喜びです。今まで待った甲斐がありました。今回初めて観る方も、以前ご覧になった方も、新しく生まれ変わる「笑の大学」にきっと満足して頂けると思っています。この作品で PARCO劇場開場50周年記念シリーズに参加できることを、僕はとても嬉しく思っています。なんと言ってもこの劇場は、自分を育ててくれた大切な場所ですから。

内野聖陽(向坂睦男役)

 25年前の、脚本家三谷さんの素晴らしい戯曲と、25 年後の、演出家三谷さんとのお仕事なんて、一度に2度美味しい思いができる、こんな素晴らしく贅沢なことはありません。ボクがこの本で素敵だなって感じることがいっぱいあって、顔の筋肉が緩んでしまう瞬間もたくさんあって、声を出して笑ってしまうところもたくさんあって、涙腺が緩んでしまうときもあって、そんな素敵なものを、いっぱいいっぱい舞台の上に花開かせたいと思っています。気鋭の若手、瀬戸康史くんとのセッションもとても楽しみです。みなさんどうぞご期待して待っていてください。お稽古励みます!

瀬戸康史(椿一役)

 まず、舞台版と映画版を観た時に、演じる人物によってこんなに印象が違うのだと驚いたのを覚えています。それは、登場人物がほぼほぼ二人しかいないからでしょう。その二人の俳優が持つ性質が空間を支配して、ダイレクトに観客に伝わる感じ。でも、それが気持ちの悪い生々しさではなく、どこかクセになる生々しさなんですよね。ずっとこの二人の掛け合いを見ていたいと思わせる三谷幸喜さんの力…とんでもないです。内野さんとは今回初共演で、まだまだ謎だらけです。なので今は、優しい人かな? 怖い人だったらどうしよう。と、まるで検閲官にどきどきしながら対峙する作家のような気持ちです(笑)。二人芝居も初めてなので、とにかく新鮮さを大切に、相手からのエネルギーをいくらでも受け取れる心の余裕を持って、楽しんで演じられればと思います。

PARCO劇場開場50周年記念シリーズ「笑の大学」公演日程

東京公演2月8日(水)~3月5日(日)@PARCO劇場
新潟公演3月11日(土)~3月12日(日)@りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
長野公演3月18日(土)~3月19日(日)@まつもと市民芸術館主ホール
大阪公演3月23日(木)~3月26日(日)@サンケイホールブリーゼ
福岡公演3月30日(木)~4月2日(日)@キャナルシティ劇場
宮城公演4月6日(木)~4月9日(日)@電力ホール
兵庫公演4月13日(木)~4月16日(日)@県立芸術文化センター阪急中ホール
沖縄公演4月20日(木)~4月21日(金)@那覇文化芸術劇場なはーと

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