爆発する王蛇…仮面ライダー龍騎『EPISODE FINAL』当時の脚本にキャスト陣衝撃

　劇場版『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』の公開イベント「龍騎ナイト」が29日に都内で行われ、同作に出演した須賀貴匡（仮面ライダー龍騎＆リュウガ／城戸真司役）、松田悟志（仮面ライダーナイト／秋山蓮役）、萩野崇（仮面ライダー王蛇／浅倉威役）が登壇。今年20周年を迎えた「仮面ライダー龍騎」放送当時の思い出話に花を咲かせた。この日は「龍騎」の助監督を務め、最新作を手がけた柴崎貴行監督（崎はたつさきが正式表記）と、東映の武部直美プロデューサーも来場した。

【動画・トークノーカット】「龍騎ナイト」キャスト＆監督＆Pが裏話披露！

　「仮面ライダーリバイス」「仮面ライダーギーツ」「仮面ライダー龍騎」のキャラクターが、ライダー同士が戦い合うゲーム「デザイアロワイヤル」で激突する本作。映画上映後に行われたイベントでは、同作に出演した「龍騎」キャストが、放送から20年の時を経て、最新作で再集結した思いを告白。当時助監督だった柴崎監督が、トーク後に上映される『劇場版　仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL（エピソード ファイナル）』の台本2冊を披露すると、キャスト陣も思わず「それは貴重ですね」と目を輝かせた。

　なぜ劇場版の台本が2冊なのか？　素朴な疑問に、武部Pは「当時は誰がどうなるのかなど、ネタバレが激しかったんです。だから後ろを分冊にして……テレビもそうしたんですけど、それはキャストとスタッフにしか渡さなかったんです」と回答。台本の2冊目はどのシーンから始まっているのか、キャスト陣が興味津々のなか台本を確認してみると、「爆発する仮面ライダー王蛇」だったことが明らかになり、会場は爆笑の渦に包まれる。衝撃の説明に、登壇者も「（王蛇が）ザコキャラみたいだね！」「じゃぁ、萩野さんは当時この台本をもらった時に、ワクワクした瞬間に爆発したんですか？」と大盛り上がりだった。

　さらに、柴崎監督は劇場版の絵コンテも持参。ノートを手に取り「これはプロの人が書いたものですが……」と説明すると、すかさず萩野が「（現在開催中の）THE仮面ライダー展に出したらいいじゃないですか！」と提案し、客席からは大きな拍手が。ノートには、当時のCGコンテも記されており、「リュウガの身体が黒いハレーションに包まれる。ドラグブラッカーと共に敵に向かって飛んでいきます……」と演出メモを読み上げた監督は、「コピーとファクスの時代ですから、（監督から）来たものをコピーして貼り付けるという感じでした」と当時を振り返った。

　放送から20年が経過した現在も、多くのファンに愛されている「仮面ライダー龍騎」。主演を務めた須賀は「俳優としての原点であり、何十年たっても大切にしたい作品ですね」と力を込めると、松田も「もし僕が明日死ぬとして、どの時を思い出すかといわれれば、もちろん『龍騎』。それだけ、大きな作品だったということは間違いない」と続く。

　さらに、萩野が「ただ一つだけ言えるのは、あの当時ものすごい熱量でみんなやってたじゃないですか。だから『龍騎』という作品が、時間が経ってもすばらしいと言われる作品になったのかなと思います。当時の熱量は忘れられないですし、今回、20年ぶりに参加させていただいた時もそう思いました」と語ると、武部Pは「（萩野が主演した）『超光戦士シャンゼリオン』とは違うんでですか？」とぶっ込み、一同は大盛り上がり。

　それに対して、萩野は「シャンゼリオンは、俺の中でのNo.1スター。須賀っちにとっての龍騎と一緒」と返答。「自分が番組を背負ったので、39話全て覚えてます。しくじったこともあったし、ダメだと思ったこともいっぱいありました。（『龍騎』は）そこから6年たった自分で勝負した作品。そこはだいぶ違うんですよね。だから共演者の皆さんの『スパイスにならないといかん』という思いがあった」と力強く語る。

　「ただ『シャンゼリオン』は好き勝手やっていたので、下手くそとか言われながら、いつ降ろされるか、降ろされたら怖いなと思いながらやっていました」と続けた荻野。武部Pも「今『ギーツ』は16話くらい放送しているんですけど、王蛇って17話くらいから登場したんですよね。その辺りから出てきたキャラクターなのに、ずっといたようなインパクトがあって、若手俳優のビシバシがすごかったということですよね」と萩野の存在感を改めて実感し、「松田くんも、『萩野さんの背中を見て大人の距離感を教えられた』って言っていたよね」と松田に呼びかけると、松田は「“当時は”憧れてましたもんね」と反応。萩野も「今も憧れていいんだよ！」と笑いながら返答していた。（取材・文：壬生智裕）