劇場版『美しい彼』は画面から平良&清居の雰囲気が匂い立つように…監督語る
萩原利久と八木勇征がダブル主演を務めたドラマ「美しい彼」のその後を描く『劇場版 美しい彼~eternal~』(4月7日公開)で、ドラマから監督を続投する酒井麻衣が、映画化への思いや、萩原と八木の魅力などを語った。
「流浪の月」などで知られる小説家・凪良ゆうの人気同名小説をドラマ化した「美しい彼」は、無口で友だちがいない高校生・平良(萩原)と、クラスの頂点に君臨する人気者“キング”清居(八木)という真逆の高校生の初恋の物語を描いた。清居に忠誠を尽くす平良と、愛されたいという欲求を隠し持つ清居。すれ違う想いに互いが翻弄(ほんろう)される様子が反響を呼び、国内のみならず世界中で“ひらきよ”ムーブメントを巻き起こしている。
ドラマ放送終了後、SNS上では続編を望む声が多く上がった。酒井監督は、「みなさんの熱意を感じられて大変光栄でした。台詞の裏側に込められた感情や、カメラワーク、美術の小道具の細かな部分をたくさんの人に注目していただけて嬉しかったです。その反応を感じて、『ちゃんと伝わってる、そこまで観てくださってるんだ』とスタッフ一同、士気が上がりました」と喜び、「最終話放送後、私自身がとてもロスを感じており、原作が続いていることもあり、また続編をやりたいという気持ちが強かったです。皆さんの声援のおかげです」と感謝する。
いざ映画化となり、意識したことや心掛けたことはあったのだろうか。「ドラマの場合、放送の尺が決まっているため、分数調整のための撮影を視野に入れるのですが、今回は映画ということで、カメラワーク含めて、より一層『美しい彼』の世界観がスクリーンで体感できるようにとスタッフ間で話し合いをしました。画面から2人の雰囲気が匂い立つように……と意識しました。ドラマの最終話から、少し時間の経った2人のため、2人の心情の変化も、繊細に萩原さんと八木さんとお話しました」とこだわりが詰まった作品となっているようだ。
ドラマの撮影から約1年経つが、平良役の萩原、清居役の八木の魅力については、「久しぶりにお会いした時に、お2人がこの作品を好きでいてくださっているのが伝わってきました。また同じ作品でご一緒できて、感動しました。同じ作品ですが、『あのころに戻った』という感覚ではなく、『あのころを経た2人の流れていく人生・時間』を体感できました」と2人の熱意に感動したという。
「萩原さんに関しては、カメラの前で呼吸をしているだけで、平良自身になっている圧倒的芝居力を再度、目の当たりしました。平良をキャラクターというよりも、『平良が生きている人間としてどう感じて、どう成長していくか』という繊細な部分を考えていく追求心のすごさを改めて感じました。私自身、平良の考えていることは、萩原さんに質問することも多かったです。何度かモニターの前で、『平良はこの時、この表情になるのか……!』とハッとさせられました」と萩原の底知れない魅力を実感。さらに、「今回は平良として萩原さんにはとある挑戦をー……おっと話しすぎてしまうようなので、劇場にてお楽しみにです」と語る。
一方の八木について、「八木さんは、とにかく素直で優しい方です。とにかく真っ直ぐで変化球ではなく、直球勝負。その感覚があの圧倒的キング・清居になれるのだなと思います」とべた褒め。また、「新キャラクターのとある俳優さんに撮影の合間に『(八木さんは)何を食べたら、そんなに美しくなれるの?』と質問を受けていて、何食わぬ顔で『エビコロです(清居の好物)』と答えてらして、私は内心(今の質問は清居じゃなく、八木さんにしていたのでは……?)と突っ込みたくなりましたが、その姿からも、『清居とは、清居がこの世に生きていたとしたら』と常に素直に考えてらしたのかなと思います」というエピソードも明かす。
酒井監督の言葉から映画への期待が高まるばかり。改めて本作について、「平良と清居、共にさまざまな感情があり、いろいろなお芝居の選択肢もあり、悩みながら、立ち向かっていく姿に感銘を受けました。萩原さん、八木さんはもちろんのこと、キャストの皆さん、スタッフの皆さんでこの作品を愛し、走り抜いている感覚が大きいです」と語っていた。(編集部・梅山富美子)
ドラマイズ厶「美しい彼」(シーズン2)はMBS/TBSにて2月7日放送スタート
毎週火曜MBSにて24時59分~、TBSにて25時28分~放送
『劇場版 美しい彼~eternal~』は4月7日公開