真矢ミキ「どうする家康」で宝塚以来の再会 日本舞踏家・花柳寿楽から所作指導
真矢ミキが、大河ドラマ初出演となった「どうする家康」(毎週日曜夜8時~NHK総合ほか)の撮影や、日本舞踏家・花柳寿楽との宝塚歌劇団在団以来の再会を振り返った(※ネタバレあり。第6回までの詳細に触れています)。
江戸幕府初代征夷大将軍・徳川家康の生涯を、『コンフィデンスマンJP』シリーズや公開中の映画『レジェンド&バタフライ』などの脚本家・古沢良太が等身大の目線で描く本作。真矢が演じたのは、今川家の家老・関口氏純(渡部篤郎)の妻。娘の瀬名(有村架純)が格下の松平元康(のちの家康・松本潤)と結婚することに反対し、今川義元(野村萬斎)亡き後、元康が今川を裏切り織田に寝返ってからは、夫、娘と共に複雑な立場に置かれた。
元宝塚歌劇団花組トップスターだった真矢だが、本作で所作指導を務める花柳寿楽と久々に再会。「先生とは、宝塚で男役を演じていた時以来の再会でした。身体に染みついているのが男役の所作なのと、油断すると10代から習っている日本舞踊がつい出てしまうので、大変苦労しました(笑)。“日常の所作”を身につける難しさを実感しつつ、ふとした時に出てしまいそうになる日本舞踊を「抑えておさえて……」と自分の中で葛藤していました。巴は育ちがよく、所作を非常に厳しく叩き込まれているお家のうまれなので、その点では多少演じやすかったのですが、収録中、何度も寿楽先生のもとに走って確認しにいったのを覚えています」と日常の所作に苦戦したことを明かす。
夫・氏純を演じる渡部とは江戸川乱歩原作のドラマ「黒蜥蜴」(2015)で初共演。氏純について「巴とは正反対」と捉え、「氏純さんは、口数は少なく威厳があり、思慮深く、巴とは正反対。巴にないものをほとんど持ち合わせていますし、二人のバランスがとれていて、理想の夫婦だなと思います。そんな氏純を演じる渡部篤郎さんともよくお話ししていたのですが、夫婦の軸にあるのは、やはり娘・瀬名に対する深い愛情。とにかくそれを大切に演じてきました」と夫婦の関係を分析した。
娘の瀬名を演じた有村とは初共演。「瀬名を演じる架純ちゃんとの共演は今回が初めてでしたが、一つひとつ丁寧に物事を進めるところや、小さなことに喜びを見つけられるところなど、今作の瀬名と重なる部分もあり、健気でかわいらしい彼女をいつも微笑ましく見守っていました。彼女のおかげで、私も自然と役に入ることが出来たなと思います」と撮影を振り返る。
~以下ネタバレ含みます~
5日放送の第5回では、元康が今川に捕らわれ身となった瀬名を両親ともども救出しようとする作戦が描かれたが、巴がその計画を口外したために計画は失敗し、関口家は窮地に追い込まれた。真矢は、本シーンについて複雑な思いを抱く一方で、演じていくうえでのヒントになったとも。
「第5回、巴のせいで今川家からの脱出に失敗してしまうシーンは、初めて脚本を読んだ時 「私か……」 と複雑な思い でした (笑)。でも巴を表すには重要なシーンですし、私自身、演じていく上でのヒントになりました。良く言えば、育 ちがよく、物事の裏を読まない純粋さ、素直さがあります。悪く言えばうっかりしていて思慮深さに欠けるとも言えますが、それだけ周囲の人に支えられて生きてきたのだろうと思います。瀬名にとっても、気品はあるけれど、たまに理解しがたいお母さんという感じだったのかな……」
そして、第6回で巴が瀬名に対し「そなたが命を懸けるべき時は、いずれ必ずきます。それまで、強く生きなさい」 と言葉を掛けるラストシーン。真矢は「大切な人を守るために命を捧げる覚悟や潔さ、娘への愛、戦国を生き抜いてきた巴の強さが詰まった最期だったと思います」と解釈を述べ、巴が「実は奥底に熱いものが流れている女性」であろうことを象徴するシーンでもあると話している。(編集部・石井百合子)