「舞いあがれ！」高杉真宙の役者スイッチがすごい！カリスマ性あふれる刈谷を好演
現在放送中の連続テレビ小説「舞いあがれ！」の第25週で、ヒロインの舞（福原遥）が大学時代に在籍していた人力飛行機サークル「なにわバードマン」の刈谷（高杉真宙）と玉本（細川岳）が再登場を果たした。開発中の“空飛ぶクルマ”をめぐって舞たちと協力し合う姿が描かれるなか、新たな夢に向かって進む刈谷の姿が強い印象を残した。演じる高杉について、制作統括を務める熊野律時チーフ・プロデューサーが役者としての魅力や撮影の様子などを語った。
連続テレビ小説の第107作となる「舞いあがれ！」は、ものづくりの町・東大阪や五島列島でさまざまな人との絆を深めた舞が、空への夢に向かっていく姿を描く物語。第25週では、舞が“空飛ぶクルマ”電動垂直離着陸機を開発している刈谷と玉本たちとともに奮闘することに。東大阪の町工場にとっても大きなチャンスになると考えた舞は「こんねくと」を通じて“空飛ぶクルマ”に携わろうと周囲を巻き込んで奮闘していく。
熊野は刈谷や玉本などの「なにわバードマン」のメンバーが再登場することについて「全体を構想するなかで、最初に人力飛行機に取り組む仲間たちの姿を描き、最終的に空飛ぶクルマを作るという展開にすることを考えていました。そのときに、昔の仲間が再び集まってくる展開というのもぜひやりたいと思っていました」と紹介。
さらに「舞も刈谷もかつて夢を共有する仲間だったわけですが、その後は別々の道を進みました。それでも、それぞれ空を目指す思いや情熱は変わらず持っていて、もう一度“空飛ぶクルマ”という新しい夢に惹きつけられるように合流する。さらに新しい仲間も加わって新しい未来を作っていくという展開が描ければいいなと思って作っています」と話す。
刈谷を情熱的に演じる高杉については「本当に魅力的です」と絶賛の言葉を惜しまない。「刈谷は高杉さんの普段の感じとは、まったく違うキャラクターなんです。実際の高杉さんはもっと穏やかな感じ。そのギャップが面白いです」。素顔とは違うキャラクターを巧みに演じる高杉の演技に「すごい吸引力で、惹きつけられます」
そんな高杉が演じる刈谷のイメージは、実際に“空飛ぶクルマ”の開発に取り組む人々を参考に練り上げられたものだという。その上で高杉が刈谷を演じることで生まれた説得力や熱量には驚かされたことを明かす。「高杉さんならではだと感じるんです。確かにこの人なら、まだ見たことのない“空飛ぶクルマ”も実現できそうだと思えてくる。刈谷の持つカリスマ性を自然な形で表現していただいている。刈谷は高杉さんでしかありえないとまで思うようになりました」と高杉を褒める。
撮影の現場にも“空飛ぶクルマ”の開発に取り組んでいる方が来て、出演者にレクチャーする機会も設けられた。「刈谷は社会人経験もして、その中で新しいものを作りたいと飛び出して、自分の会社を作る。困難なことだと承知の上で“空飛ぶクルマ”の開発をし、資金も集めなければいけない。ヒリヒリするようなタイムスケジュールで計画を前に進めるなか、舞が参加したことで刈谷はより開発に専念できるようになる。開発者としての苦労を感じながら計画を進める姿は、人力飛行機を作っていた頃の刈谷とは違います。そこには人としての厚みが加わっており、それを高杉さんが本当にうまく表現してくれたと思います」と感慨深げに話していた。（取材・文：名鹿祥史）