横浜流星、恐れや迷い藤井道人監督に伝え「愛のある脚本」完成 主演作『ヴィレッジ』に自信
俳優の横浜流星が30日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画『ヴィレッジ』(4月21日公開)完成披露イベントに出席。メガホンを取った藤井道人監督と6度目のタッグとなる横浜は「役者をやっているなかでの恐れや迷い、今感じているものを監督に伝え、それを受け止めてくれて愛のある脚本を完成させてくれました」と感謝を述べると共に、昨年急逝した本作のプロデューサー・河村光庸さんへの思いを語った。イベントには黒木華、一ノ瀬ワタル、奥平大兼、作間龍斗、古田新太、藤井道人監督も登壇した。
本作は、『新聞記者』『ヤクザと家族 The Family』などを手掛けた藤井監督と、話題作を世に送り出し続けている映画制作会社・スターサンズがタッグを組んだサスペンス。「村」という閉鎖された世界を舞台に、そこで生きる人々の、きれいごとだけでは生きていけないリアルな姿をあぶりだす。
巨大なゴミの最終処分場で働く、どこにも居場所を見つけられない主人公の青年・片山優を演じた横浜。「7年の付き合いで、公私ともにお世話になっているのですが、藤井組の長編映画では初主演なんです」と語ると「もちろん毎回全力で魂を込めてやっていますが、今回はより一層気合が入って参加しました」とクランクイン前の心境を語る。
藤井監督は「スターサンズという僕を育ててくれた映画会社の企画で流星が主演ということで、責任がすごくあって押しつぶされそうな瞬間があった」と胸の内を告白したが「脚本づくりの段階から流星に励ましてもらいながら、映画を撮ることができました」と横浜が大きな助けになったという。
その話に横浜は、「自分が役者をやっているなかで、恐れだったり、迷いなど、いま自分で感じているものを藤井監督にはすべて伝えました。それを受け止めてくれて愛のある脚本を完成させてくれました」と感謝する。
スタッフ、キャストが一丸となって臨んだ作品。さまざまなテーマが内在しているが、登場する若者の姿も、作品に深みを与える。奥平は、借金返済のためゴミ処理場で働く筧龍太を演じており「物語が進んでいくにつれ、僕が演じた龍太と作間(龍斗)くんが演じた恵一の進む道も変わっていく。その対比で作品を観るのも面白いかなと思っています」と見どころを挙げていた。
そうしたキャスト陣の思いを受けて、横浜は「(昨年急逝した本作のプロデューサー)河村光庸さんの熱い思いを、藤井監督が脚本にして、僕らが体現しました。その思いが詰まった作品が観てくださる皆さんの心に届いてくれたら嬉しいです」と映画に込めた思いを語っていた。(磯部正和)