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岸井ゆきの、A24注目の新星『アフターサン』監督と対面「自分の物語になる映画」と賞賛

『ケイコ 目を澄ませて』を素晴らしいと賞賛したシャーロット・ウェルズ監督と岸井ゆきの
『ケイコ 目を澄ませて』を素晴らしいと賞賛したシャーロット・ウェルズ監督と岸井ゆきの

 女優の岸井ゆきのが10日、ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた映画『aftersun/アフターサン』のシャーロット・ウェルズ監督来日記念舞台あいさつにサプライズで登壇。作品に心から感動した様子の岸井は、ウェルズ監督に「セリフではなく、呼吸や後ろ姿、皮脂から伝わってくる素晴らしい映画でした」と賛辞を送った。

映画『aftersun/アフターサン』予告編

 本作は、11歳の少女が父親と二人きりで過ごした夏休みを、父親と同じ年齢になった20年後に振り返りながら、さまざまな思いを馳せる姿を繊細に描き、世界各国の映画祭や映画賞で話題となったヒューマンドラマ。

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 メガホンを取ったスコットランド出身のウェルズ監督は、本作が長編初作品となるが、2022年のカンヌ国際映画祭・批評家週間での上映を皮切りに評判を呼ぶと、次々と話題作を手がけるスタジオA24が北米配給権を獲得するなど、世界中で称賛を浴び、初来日を果たした。

 ウェルズ監督は「自分が想像していたより、はるか遠くまで作品が届きました」と笑顔を見せると「この映画はフィクションですが、自分の人生、特に少女時代の具体的な部分が入っている作品です」と語る。

 日本での公開が決まったときから「早く観たいな」と思っていたという岸井が、花束を持ってサプライズで来場すると「いろいろな人が観ても、自分の物語になる作品だなと思いました」と感想を述べ「本作に出てくる父親は多くを語らないのですが、セリフではなく呼吸や後ろ姿、皮脂から伝わるものがある。素晴らしい映画だなと思いました」と絶賛する。

 特に父親カラム役のポール・メスカルの演技に感嘆したという岸井は「呼吸から感じるものがあった。どういった演出をしたのでしょうか?」とウェルズ監督に質問すると「シャンタル・アケルマン監督が、作品における足音の大事さを語っていたのを見て、今回自分は呼吸でいろいろなものを表現したいと思ったんです」と岸井の質問に笑顔を見せる。

 さらにウェルズ監督は、岸井が第46回日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を獲得した『ケイコ 目を澄ませて』を鑑賞したと明かすと「素晴らしい役者さんだと思いました」と賞賛。監督の言葉に照れ笑いを浮かべていた岸井は「この作品を観たことで、自分自身に感じていたことの回答をもらえた。自分の物語になる映画です」とあらためて作品をアピールしていた。(磯部正和)

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