加瀬亮、残虐で狂った織田信長に!北野武監督の新作『首』で
加瀬亮が15日、都内で行われた北野武監督の新作映画『首』完成報告会見に出席し、オファーを受けた時の思いや撮影時の様子などを明かした。この日は、北野監督、西島秀俊、中村獅童、浅野忠信、大森南朋、KADOKAWA代表取締役社長・夏野剛も出席した。
日本人なら誰もが知る戦国武将、羽柴秀吉、明智光秀、織田信長、徳川家康らと“本能寺の変”を、北野監督が一大スケールで描く本作。信長の跡目を巡り、繰り広げられる裏切りと策略と戦。それぞれの野望が本能寺に向かって動き出す。
そうそうたるキャストがそろう本作に織田信長役で出演した加瀬は、北野監督作品はインテリヤクザ役を務めた『アウトレイジ』シリーズ以来3度目。「『アウトレイジ』シリーズは、自分からかなり遠い役で大変だったので、今回も難しいだろうなと思って参加しましたが、案の定、大変な目に遭いました」と吐露すると、「自分(信長)の下にいる者(を演じる俳優)が全員先輩なので、台本でキャストを見た時は、ものすごいやりにくい……と思いました」とぶっちゃけて会場の笑いを誘う。一方、「共演者のほとんどが他の作品で一緒にやったことがある人たちだったので、胸を借りるつもりで思い切りできて助かりました」と安どの表情ものぞかせた。
また、「戦国時代のドラマや映画は、きれいなイメージや(戦国武将の)ヒーローとしてのイメージが増幅されている」と良い部分にスポットが当たりがちだが、本作において織田信長は「かなり狂ってる、残虐な信長」と説明する加瀬。「監督は監督でエンターテインメントとして増幅させたところはあると思うけど、本当はこうだったんじゃないかなという視点がたくさんあって、台本を読んだ時に面白かったです」と満足げだった。
2002年に北野監督の映画『Dolls ドールズ』の主演に抜擢され、人生が大きく動いた西島は、今回、明智光秀を演じるにあたり「自分が成長した姿を見せようとは絶対に考えないで、無欲に、監督の頭の中にある作品を現実の世界に出すために力を出し尽くそうと臨んでいました。とても幸せな毎日でした」と笑顔。
秀吉に憧れる元百姓・難波茂助役の中村は、北野組への参加が「長年の夢」だったことや、北野監督に会ってもおこがましくて逆オファーができなかったことを明かしつつ、「今まで演じたことがない役で、監督によって新しい中村獅童を引き出していただいて感謝の気持ちでいっぱいです」と頭を下げた。
撮影中のエピソードも紹介。『座頭市』以来、再び時代劇に招集されたことに心躍らせる黒田官兵衛役の浅野は「ワクワクして、北野監督の前で自分をアピールできないかと考えた」ものの、現場の空気にそぐわず「なるべく大人しくしていました」と照れ笑い。『アキレスと亀』『アウトレイジ』などに出演した羽柴秀長役の大森は、現場では北野組の常連といえども緊張すると漏らし、あるシーンにおいて「大先輩の小林薫さんが僕の4倍くらい緊張していて、それを見て僕もだんだん緊張してきて、これが北野組の怖さだというのがあります」と暴露して会場の笑いをさらった。(錦怜那)
映画『首』は2023年秋、全国公開