話題のドキュメンタリー映画出演者、銃殺される 35歳
今年のサンダンス映画祭で上映されて話題を呼んだドキュメンタリー映画『ココモ・シティ(原題) / Kokomo City』に出演したラシーダ・ウィリアムズさんが現地時間18日夜、米アトランタの路上で銃殺された。35歳だった。
アトランタ警察によると、通報を受けて現場へ向かった警察官たちは銃で撃たれたような傷のある女性を発見。その場で死亡が確認されたという。現在も、殺人課の刑事たちが捜査を続けている。
『ココモ・シティ(原題)』は、ココ・ダ・ドールという芸名で知られたラシーダさんとその他の黒人トランス女性たちが、アトランタとニューヨークで性労働者以上の生活をしようと奮闘する姿を映し出したもの。2023年のベルリン国際映画祭パノラマ部門で観客賞を受賞したほか、サンダンス映画祭ネクスト部門で観客賞とイノベーション賞を受賞するなど話題を呼んだ。
監督を務めたD・スミスは「ココ・ダ・ドールことラシーダは、黒人トランス女性に対する暴力の最新の犠牲者となってしまいました。わたしが『ココモ・シティ(原題)』を作ったのは、黒人トランス女性たちの楽しくて人間味のある自然なところを見せたかったからです。トランスジェンダーの命が奪われたトラウマや統計を見せない映像を作りたかったのです。新しく、人々を鼓舞するようなものを。わたしたちはそれを成し遂げました! それなのに、またこうした事件が起きてしまいました」とDeadlineに悲痛なコメント。
「ココの死と折り合いをつけるのは非常に困難ですが、わたしたちチームは今、今まで以上に、彼女の物語で世界をインスパイアすべきなのだと感じています。彼女がどれだけ美しく、活気に満ちあふれていたかを示すために。彼女は何世代にもわたってインスピレーションを与え続け、決して忘れられることはないでしょう」と締めくくった。『ココモ・シティ(原題)』の米配給権はマグノリア・ピクチャーズが獲得しており、今年の劇場公開を予定している。(朝倉健人)