ハリウッド実写『聖闘士星矢』白銀聖闘士マリン役は誰?暗闇状態で超絶アクション
新田真剣佑のハリウッド初主演作『聖闘士星矢 The Beginning』でスタント・コーディネーターを務めたアンディ・チャンが、新田が演じた主人公・星矢を鍛える仮面の闘士・マリンのアクションについて語った。
【動画】星矢VSマリン!『聖闘士星矢 The Beginning』星矢VSマリンバトルシーン
本作は、テレビアニメ版も世界的な人気を誇る車田正美の大ヒット漫画を原作に、地上の平和を守る女神アテナのために戦う闘士・聖闘士(セイント)を描いたアクション巨編。マリンは、新田が演じるペガサスの聖闘士・星矢を真の聖闘士へと導くために厳しい修行を課す鷲星座(イーグル)の白銀聖闘士(シルバーセイント)で、白銀の仮面で素顔を隠し、絶大な戦闘能力とスピードで星矢を翻弄する。
スピードとパワーで未熟な星矢を翻弄する姿はまさに聖闘士。マリンを演じた俳優について、アンディは「マリンを演じてくれたのは、ケイトリン・ハドソンという女優で、マーシャルアーツに長けた、最高のスタントパフォーマーの一人です」と明かす。
その素顔は両目まで覆われたマスクで隠されているが、実際にケイトリンは、ほとんど視界のない状態でハードなアクションをこなす必要があったという。「オファーの時点で彼女には『何も見えないマスクをずっと被ってもらうことになるよ』と伝えていました。マリンのマスクにはほんの小さな穴が開いていて、後からCGで消しているのですが、クローズアップを撮る時はその穴もない。目を閉じて戦うようなもので、非常にタフな撮影でした。一歩間違えば硬い聖衣(クロス)で相手にケガをさせてしまうので入念にリハーサルをしましたし、ケイトリンは本当に素晴らしい仕事をしてくれました」
「マリンが星矢に稽古をつけるファイトシーンは、観客にも楽しんでもらえる場面だと思います。新田さんとケイトリンのケミストリーも抜群でした。スタントチームが一丸となって、ワシのようなマリンの戦闘スタイルを再現しながら、アクションを現代的にアップデートした。皆さんがマリンを気に入ってくれたのなら、私たちはいい仕事をしたということです」
マーベル映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』でスタント&ファイトコーディネーターを務めるなど、ハリウッド映画の一線で活躍するアンディ。1990年代にジャッキー・チェンのスタントチームに招かれスタントとしても活躍した彼だけに、大作映画であっても、生身のアクションを大切にしているという。
「マリンが絶壁から雲の中に飛び降りるシーンがあるのですが、その場面もCGだけに頼らず、実際にケイトリンに高所から飛び降りてもらっています。できる限り生身のアクションを大切にする。それは『聖闘士星矢』を手掛けるうえでの鉄則にしようと思っていました」
そのうえで「『聖闘士星矢』に続編があるかはわかりませんが、まずは一作目でベストを尽くそうと思いました。それは、マーベル初のアジア系スーパーヒーロー映画だった『シャン・チー』の時も一緒です。一作目から、できる限りリアルで最高のアクションを見せようと思って取り組んだ」と語ったアンディは、本物を追求したアクションシリーズとなることを願う。「『トワイライト~初恋~』(2008)でもスタント・コーディネーターを担当しましたが、あの映画の99%のアクションは人間が実際に演じたものです。しかし、それ以降のシリーズではCGを多用するようになり、パワーが失われてしまった。だからこそ、『聖闘士星矢』が生身のアクションのエッセンスを大切にするシリーズとして続いてくれることを心から願っています」(編集部・入倉功一)