生田斗真「罪なことをしていた」 役づくりでの苦渋の決断、子役に謝罪
俳優の生田斗真が11日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画『渇水』(6月2日公開)完成披露舞台あいさつに出席。現場で姉妹役を演じた山崎七海、柚穂に現場でそっけない態度をとってしまったことを「罪なことをしていたな」と謝罪していた(※山崎七海の「崎」は「たつさき」が正式表記)。イベントには門脇麦、磯村勇斗、尾野真千子、高橋正弥監督、企画プロデュースを務めた白石和彌も参加した(※高橋正弥の「高」は「はしごだか」が正式表記)。
本作は、映画『孤狼の血』シリーズなどの白石和彌監督の初プロデュース作品。水道料金を滞納する家庭を回って水道を止める業務に当たる水道局員の男性を主人公にした河林満の小説を実写映画化。生田は市の水道局員・岩切俊作を演じ、家で二人きりで残されていた幼い恵子(山崎)・久美子(柚穂)姉妹にとって最後のライフラインである水を停めるか否か、葛藤する。
高橋監督は、姉妹役の山崎と柚穂には台本を渡さない演出方法で、その場のリアルな感情を切り取ろうとしたという。そんな姉妹に対峙した生田は「先を知らない二人の家に突然やってきて『水道を停めます』という役。二人のリアルな芝居が浮かないように、僕自身にも生々しい芝居が求められた」と現場で意識していたことを語る。
さらに生田には、役柄の関係性上、姉妹とは必要以上に「仲良くならないように」との指示が監督から出ていたようで「喋っちゃダメだと言われていたんです」と苦笑いを浮かべると、「でも彼女たちは何も知らないので無邪気に話しかけてくるじゃないですか。それをそっけなくするので、罪なことをしているなと。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした」と回顧する。
それでも生田は「でも水道局員の仕事として水を停めなければいけないというところもあるので、監督やプロデューサーが言っていることも分かるなと思いました」と作品のためには必要なことだったと語る。
また、高橋監督、白石プロデューサーをはじめ、共演者の口々から『渇水』という映画なのに撮影中は「雨ばかりだった」というクレームに近い愚痴を聞かされた生田は「本当にごめんね。雨男パワーがゴリゴリに勝っちゃって」と、自身が雨男であることを認めた。
この日のイベント前も東京都内では豪雨に見舞われたこともあり、生田は「公開が6月だし、初日も雨降るぞ!」と開き直る場面も。そんななか撮影中、晴れますようにと山崎と柚穂がテルテル坊主を作ったというエピソードが明かされると、さらに「ごめんね」と謝罪する生田。柚穂が「全然平気です」と優しくフォローすると、生田も写真撮影で、柚穂が乗っていた台の位置を自らしゃがんで変えてあげるなど、現場でかなわなかったぶん思い切り“仲良し”を楽しんでいた。(磯部正和)