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NARUTO、ガンダム…『クリード』に日本アニメのDNA マイケル・B・ジョーダンが込めたリスペクト

念願の来日を果たしたマイケル・B・ジョーダン
念願の来日を果たしたマイケル・B・ジョーダン - (C) 2023 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights reserved. CREED is a trademark of Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights reserved.

 マーベル映画『ブラックパンサー』のキルモンガー役で知られ、『ロッキー』サーガ最新作『クリード 過去の逆襲』(全国公開中)で主演・監督を務めたマイケル・B・ジョーダンが来日、少年時代からアニメを観て育ったというスターが、監督デビューへの思いや、作品に込めた日本アニメへの愛を語った。

ロッキー新章第3弾!映画『クリード 過去の逆襲』予告編

 本作は、シルヴェスター・スタローンが演じたロッキー・バルボアのライバル、アポロ・クリードの息子アドニス(マイケル)が、ロッキーの指導のもと成長する姿を描いた『クリード』シリーズ最新作。チャンピオンとして新たな道を歩むアドニスが、刑務所から出所してきた幼なじみ、ダミアン(ジョナサン・メジャース)と再会し、目を背けていた過去に向き合うため、彼との人生をかけた試合に挑む。

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 「NARUTO -ナルト-」をはじめ、日本アニメのファンでもあるマイケル。誇り高きチャンピオンとして栄光の道を歩むアドニスと、日陰者として生きるダミアン。一歩間違えば立場が逆転していたかもしれない表裏一体のライバル関係は、ナルトとサスケの関係を思い起こさせる。

アドニスとデイムのライバル関係にアニメの影響が(C) 2023 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights reserved.CREED is a trademark of Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights reserved.

 「僕は8歳か9歳くらいのころからアニメを観て育ってきているから、作品のアイデアやテーマ、感情が頭の中に刻まれています。アドニスとデイム(ダミアン)の関係は、僕の人生におけるパーソナルな人間関係を参考にしたものですが、できてみたら、ナルトとサスケの関係と多くの共通点があった。自分でも『こいつはクレイジーだ』って思いましたね。直接的な影響を受けたわけではないけれど、自分にとってリアルでパーソナルなものが自然と出たんです」

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 「ただファイトシーンでは、自分がアニメで体験してきた瞬間を応用しています。アクションのなかでキャラクターの物語や感情面を増幅して表現する。ボクシングでは常に対戦相手がいますよね。『NARUTO』だけではなく、多くのアニメにおいてライバルの存在は非常に重要なテーマです。主人公は常にライバルを求め、相手がいるから成長できるし、お互いに高め合うことができる。まさに兄弟愛だ。アドニスとデイムにも、そうした関係やフィーリングを取り込みたかったんです」

 そんなマイケルのアニメ愛は相当なもので、本編終了後に上映するため、『クリード』の短編アニメを作ってしまうほど。そこには、マイケルの日本文化への多大なるリスペクトが込められている。「尊敬する日本の文化に影響を受けていて、それを大切にしているんだっていうことを伝えたかったんです。奪うのではなく、文化に貢献したいという思い。観客の皆さんに、日本の文化が愛されているんだと感じてもらえたらうれしいです」

 本作には、マイケルのアニメとの思い出も反映されており、少年時代のアドニスの部屋が映し出されるシーンでは、アニメ「機動戦士ガンダムSEED」の外伝に登場する、ガンダムアストレイのポスターが見てとれる。「僕が一番好きなガンダム映画は『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz -特別篇-』で、何度も見返していました。ガンダムシリーズは膨大で全てをフォローできているわけではありませんが、僕にとって子供時代の思い出の作品なので、そうした要素は必ず入れたかったんです」

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 『ロッキー』サーガの延長にありながら、アニメの影響を受けた独自のファイトシーンやテーマを持った『クリード 過去の逆襲』。本作で長編監督デビューを果たしたマイケルは「この映画で僕が挑戦したかったのは『どうやれば今までと違うことができるか』ということでした」と語る。「1作目は、アドニスとロッキーの関係を中心に、彼が父親の名声をこえて自分を証明する物語でした。そして2作目は、アドニスだけではなく、ロッキーとドラゴ、アポロの物語だった。だから今回は、アドニスの物語でなければいけませんでした。もちろん『ロッキー』シリーズのDNAは存在していますが、アドニスの内面や家族の物語にフォーカスした、オリジンストーリーを描きたかったんです」

 「監督という立場で俳優たちと仕事ができたことは大きな喜びでした。役者が求める環境が理解できるし、彼らのベストを引き出すことに喜びを感じた」と撮影を振り返ったマイケル。本国で大ヒットを記録したことで、今後は監督としての活躍も期待されるスターは、早くも次の現場に思いをはせているようだ。「目が覚めた時に浮かんだアイデアを書き留めて撮影現場に行ったら、自分の中にあったものがそのままスクリーンに映し出されるんです。自分のビジョンが形になる体験は最高にクールで、たまらないものがありましたね」(編集部・入倉功一)

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