実写版『リトル・マーメイド』アリエルのドレッドヘア、2,000万円以上かかっていた
ディズニー実写版『リトル・マーメイド』(公開中)では、ハリー・ベイリーが演じた主人公・アリエルのドレッドヘアに、少なくとも15万ドル(約2,025万円)を費やしていたことが明らかになった。ヘア&メイクアップ部門の責任者カミーユ・フレンドがVarietyに明かした。
実写版のアリエルは、ディズニー・アニメーション版と異なり赤色のドレッドヘアになっている。黒人のアイデンティティーと結びつくドレッドの採用は、ハリー自身はもちろん、メガホンを取ったロブ・マーシャル監督も強く希望していたという。
カミーユは、マーベル映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』でルピタ・ニョンゴの髪型を担当し、第95回アカデミー賞メイク・ヘアスタイリング部門にノミネートされた実力者。第一ステップとして、ハリーの家族と対面し、彼女の髪のルーツを辿ることから始めた。「私は彼女が何者で、彼女の地毛を残すことがどれだけ大切かを学びました」
アリエルの髪型を完成させる際に、カミーユはハリーの髪を一切カットすることなく、ウィッグの使用も避けた。「ウィッグをかぶせるだけでは上手くいかないと思いました。彼女のドレッドヘアは腰まで来るほど長いです。60cm以上はあります。それにウィッグをかけるなんて、おかしなことになってしまいます」
そこで、ハリーの髪の長さはエクステンションを使って調整された。しかし、この作業には膨大な費用が発生したという。「恐らく15万ドル(約2,025万円)はかかっていると思います。なぜなら、エクステは使い回しができず、一度失敗すると新しいものを使わなければならないからです」
また、水中シーンの撮影では別の試練も。「ドレッドヘアは水では浮かばないんです」と語るカミーユは、水中でハリーの髪がなびくように、ハリーの地毛に追加で髪を編み込む必要があったと明かしている。
アリエルの髪型を完成させるため、ハリーは12時間から14時間もの間座り続ける必要があったという。劇中で美しくなびくアリエルの髪には、ハリーやヘア&メイクアップ部門の並々ならぬ想いが詰まっている。(編集部・倉本拓弥)