今夜『コーダ あいのうた』地上波初放送!知っておきたいポイントをおさらい
映画『コーダ あいのうた』が、本日16日のよる9時~日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」で、地上波初放送される。アカデミー賞で3冠を制し、日本でもロングランヒットを記録した本作の知っておきたいポイントを紹介する。(高橋理久)
オリジナルはフランス映画
本作は、2014年にフランスで大ヒットしたハートフルな家族ドラマ『エール!』のリメイク。舞台をアメリカ・マサチューセッツ州の海辺の町に移し、4人家族の中で唯一耳が聞こえる女子高生のルビーが、歌の才能を認められたことをきっかけに、夢と現実のはざまで葛藤する姿を描き出す。タイトルの「CODA(コーダ)」とは「Children of Deaf Adults=耳の聴こえない両親に育てられた子ども」の意。音楽用語としては、楽曲や楽章の締めを表す、新たな章の始まりの意味もある言葉であり、物語を象徴する言葉となっている。
キャストは?
主人公ルビーを演じたのは、歌手の父親を持ち、子役時代から活躍。テレビシリーズ「ロック&キー」で人気となったイギリスの女優エミリア・ジョーンズ(声:野村麻衣子)。彼女の家族である耳の不自由な両親と兄は、実際に聴覚障害のある俳優たちが演じ、父を演じたトロイ・コッツァーが男性ろう者俳優として初のアカデミー賞助演男優賞を受賞。また母親は、その35年前に『愛は静けさの中に』(1986)で、聴覚障害のある俳優として初のアカデミー賞主演女優賞を受賞したマーリー・マトリンが演じている。さらに、ルビーが密かに憧れる同級生のマイルズを『シング・ストリート 未来へのうた』で注目を集めたフェルディア・ウォルシュ=ピーロ(声:玉木雅士)が務めた。
アカデミー賞3部門受賞!
昨年の第94回アカデミー賞で、前述した助演男優賞に加え、作品賞、そしてシアン・ヘダー監督が脚色賞を受賞と3冠を制した本作。日本では、授賞式の2か月以上前から公開され、口コミなどでロングランヒットを続けていたが、受賞を受けて、公開館数が倍近くに拡大され、その週末の動員数は最大で前週比約10倍という驚異的な伸びを記録し、大ヒットとなった。
とにかく泣ける!
耳の聞こえない家族の通訳係として家族のために生きてきた少女は、歌手になるという夢を見つけ、淡い恋をし、自分の人生と家族への愛情との板挟みに悩み、苦しむ。どちらが悪いという問題でもなく、その苦しみが痛いほどわかるだけに彼女を応援したくなり、胸がいっぱいになる。涙腺をつつかれるポイントはある程度予測できるものの、そんなことは無駄でしかないほどに涙が流れ続け、ただただ温かい気持ちになる。家族に“自分の声”を届けようとするルビーと、そんな彼女を受け止めようとする家族の愛が深く刺さる感動作だ。