『スパイダーマン:スパイダーバース』続編、なぜ2部作に? プロデューサーが回答
アニメーション映画『スパイダーマン:スパイダーバース』や、トム・ホランド主演の実写映画シリーズのプロデューサーを務めるエイミー・パスカルがリモートインタビューに応じ、『スパイダーバース』の続編『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(6月16日全国公開)の制作秘話を明かした。
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前作『スパイダーバース』は、スパイダーマンの力を手にした少年マイルス・モラレスの成長を革新的なアニメーション技術を用いて活写し、第91回アカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞した。「前作では、スパイダーマンを描いたアニメーションがれっきとした『スパイダーマン』映画であることを、世界各国に認知させたかったのです」というエイミーは、「続編ではアニメーションへの抵抗が薄れ、純粋にマイルスの物語を楽しんでいただけると思います」と自信をのぞかせる。
続編は、『アクロス・ザ・スパイダーバース』と『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース(原題) / Spider-Man: Beyond the Spider-Verse』(2024年3月29日全米公開)の2部作構成となった。「2部作となったのは、マイルスやグウィンだけでなく、ミゲル・オハラやスパイダー・パンクなど語るべき物語が山ほどあるから。2時間では収まり切らないのです。無理に1本に詰め込むよりも、2本の完璧な作品を連結させる方が正しいと感じました」とエイミーは理由を説明する。
前作を成功させた制作コンビのフィル・ロード&クリストファー・ミラーとは、「マイルスの物語を続編ではどのように語るべきか?」という部分から話し合ったという。「観客が共感する、マイルスの本質的な部分に注目しました。この映画は、彼がいかに特別な存在であるかを明確にします。歴代のスパイダーマン映画も、主人公のアイデンティティーに迫ってきました。『自分が何者か?』を問うストーリーはいつだって興味深いものです」
『スパイダーバース』といえば、続編公開前から、日本の東映版スパイダーマンの登場を望む声が多数寄せられていた。2019年の時点でフィルは「もうデザインされているよ!」と続編への登場を示唆するツイートを投稿していたが、果たして本当に実現したのか。エイミーは「明確に答えをあげることはできません。ですが、本作に登場するスパイダーマンたちの本部を注意深く見てください。もちろん、次回作も」とヒントを残していた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)