ウェス・アンダーソン、ウェス・アンダーソン風動画は観たくない「すぐ削除します」
映画『グランド・ブダペスト・ホテル』などでおなじみのウェス・アンダーソン監督が、近ごろTikTok、Twitter、YouTubeなどにあふれている“ウェス・アンダーソン風動画”にどう対処しているかを The Times に語った。
【画像】新作『アステロイド・シティ』もアンダーソン監督らしさ全開!
左右対称な構図、パステルカラー、ドールハウスのようなセット、常連のキャストに抑制された感情表現などを筆頭に、独自のスタイルを確立させているアンダーソン監督。表面的であれば比較的容易にまねができるということで、インターネット上には「ウェス・アンダーソンが○○を撮ったら」というような動画がAI作成のものをはじめとしてあふれかえっている。
アンダーソン監督は「僕はそうしたものを観ることから、自分を守るのがすごく上手いんです」と切り出すと、「もし誰かが僕にそのような動画を送ってきたら、僕はそれをすぐに削除します。そして『ごめんなさい。どうか人々が“僕っぽく作った動画”を僕に送ってこないでください』と言います」ときっぱり。
「僕はそうしたものを観たくないんです。『これが僕がやっていること?』『これが僕が表現したいことなのか?』と考えたくないから。他の人が考える“僕がなろうとしているもの”をあまり観たくないんです。なぜなら、僕自身が同じことをし始めてしまう可能性があるから」。これはもっともな言い分であり、個人で楽しむのはいいにしても、アンダーソン監督にわざわざそうした動画を見せるのは配慮に欠けるといえるだろう。
アンダーソン監督の新作『アステロイド・シティ』は9月1日に日本公開。架空の演劇「アステロイド・シティ」の制作過程とその劇作家に迫るテレビ番組という体で、1955年のアメリカの砂漠の町を舞台にしたSF要素もある演劇「アステロイド・シティ」そのものの物語も語られる。出演は、ジェイソン・シュワルツマン、エドワード・ノートン、ティルダ・スウィントン、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクス、マーゴット・ロビー、マヤ・ホーク、スティーヴ・カレルなど。(編集部・市川遥)