岡田将生、宮藤脚本を絶賛「リメイクと言うより新しい作品」
俳優の岡田将生が8日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催された映画『1秒先の彼』(公開中)の公開記念舞台あいさつに出席し、脚本を担当した宮藤官九郎のストーリーテリングの妙に脱帽していた。舞台あいさつには、ダブル主演を務める清原果耶をはじめ、荒川良々、羽野晶紀、山下敦弘監督、宮藤、そして特別ゲストとして子役の柊木陽太、加藤柚凪が参加した。
本作は、1962年に創設された中華圏を代表する映画賞「金馬奨」で5部門を受賞した『1秒先の彼女』を、宮藤官九郎脚本、山下敦弘監督でリメイク。舞台を台湾から京都に移し、何をするにも人より1秒早いハジメ(岡田)と、1秒遅いレイカ(清原)の“消えた1日”を巡る物語を綴る。
シックな浴衣姿で登場した岡田。実は山下監督とタッグを組んだ16年前の作品『天然コケッコー』(2007年)でも、浴衣で舞台あいさつに登場したというエピソードを聞き「あのときも浴衣だったんですね」と懐かしそうに語る。山下監督は「『天然コケッコー』は、ほぼデビュー作だったよね。性格や中身は変わっていないのですが、俳優さんとしてはとても立派になられた」と大活躍する岡田を嬉しそうに眺めると、岡田も照れくさそうに「ありがとうございます。嬉しいです」と笑顔を見せた。
本作は、台湾で大ヒットした作品を、宮藤が男女のキャラクターを入れ替えるなど、大胆にアレンジ。岡田は「オリジナルをご覧になった方なら分かると思いますが、リメイクするにあたって改編された部分が本当に素晴らしい。さらに京都という舞台を選んだことで、リメイクと言うよりは新しい作品になりました」と宮藤のストーリーテリングを絶賛。
清原も「レイカちゃんはハジメくんみたいにたくさんしゃべる役ではないのですが、宮藤さんの言葉の紡ぎ方が全部優しくて温かい。そのセリフをしゃべることができて嬉しかった。レイカちゃんを演じるうえでパワーになりました」と宮藤の言葉選びを称賛する。
相次ぐキャスト陣からの称賛に宮藤は「俺、今日死ぬのかな」と独特の言い回しで喜びを表現すると「岡田君もとても輝いていて、清原さんは前後半で違う映画を観ているようだった」と評価していた。
またこの日はサプライズで岡田と清原の幼少期を演じた子役の柊木と加藤が、二人に手紙を送った。しっかりとした言葉で手紙を読み上げる子役たちに岡田、清原ともに目じりを下げていた。
岡田は「僕にとって、この映画は思い入れがある作品。山下監督、宮藤さん、素敵なスタッフと素敵な映画を作ろうと、暑い京都の撮影に臨みました。こういう映画がたくさん増えたらいいなと思える作品。映画に身を委ねれば委ねるほど、温かいものが心に宿ると思います」と作品をアピールしていた。(磯部正和)