『風の谷のナウシカ』英語版声優がヤバすぎた！映画ファン垂涎もの
日本テレビ系「金曜ロードショー」で放送されている宮崎駿監督の名作ファンタジー『風の谷のナウシカ』（1984）。ナウシカ役の島本須美をはじめ、名だたる声優陣がキャラクターの声を担当している本作だが、英語版にもハリウッドのトップスターが参加している。
豪華俳優がそろったのは、2005年に発表されたディズニー制作の英語版。主人公ナウシカの声を担当したのは、アリソン・ローマン。リドリー・スコット監督作『マッチスティック・メン』（2003）でニコラス・ケイジの娘役を務め、20代にして14歳の少女を演じて話題を呼び、ティム・バートン監督の感動作『ビッグ・フィッシュ』（2003）や、サム・ライミ監督のホラー『スペル』（2009）など、多彩なジャンルの作品に出演している。
当時のメイキング映像でアリソンは、ナウシカについて「若々しく自由で女の子らしくスタイリッシュでありながら、強い意志を持った自立した女性で、威厳もある」とキャラクターの持つコントラストをたたえ「とても新鮮でした」と収録を振り返っている。
榊原良子が担当したクシャナ役を務めたのは、『キル・ビル』シリーズのユマ・サーマン。クシャナは鎧で口元が隠れていることが多く、眉の動きに声を合わせたり、全く違う日本語と英語のリズムに苦労したとメイキングで語っている。
そして、オリジナル版で納谷悟朗さんが声を担当したユパを演じたのは、サーの称号を持ち、『X-MEN』のプロフェッサーX役でも知られる名優パトリック・スチュワート。さらに、ナウシカを手助けするぺジテのアスベルは『トランスフォーマー』シリーズに出演する前のシャイア・ラブーフが演じた。
そのほか、ミトを「特捜刑事マイアミ・バイス」などのエドワード・ジェームズ・オルモス、クロトワを『フライトナイト』などのクリス・サランドン、ラステルの母を『リトル・マーメイド』アリエル役のジョディ・ベンソンらが担当している。
さらに注目なのは、ペジテ市長の声を『スター・ウォーズ』シリーズのルーク・スカイウォーカー役で知られるマーク・ハミルが担当していること。ハミルは、声優としても長いキャリアを誇り、「バットマン」のアニメ・ゲームシリーズにおけるジョーカー役で有名。『天空の城ラピュタ』の英語版ではムスカの声を担当している。
英語版は、日本語とのリズムの違いはあるが、オリジナルの演技を大切にしたことが聞き取れる仕上がり。『となりのトトロ』では、ダコタ・ファニングとエル・ファニング姉妹がサツキとメイの声を担当するなど、ジブリ関連作の英語版は豪華キャストが起用されていることも多く、『借りぐらしのアリエッティ』（英国版）でアリエッティをシアーシャ・ローナン、翔をトム・ホランドが演じていたり、『おもひでぽろぽろ』の主人公・タエ子を『スター・ウォーズ』のデイジー・リドリーが演じていたりと、意外なスターの声の演技を楽しむことができる。（西村重人）