寺田心、アニメ『屋根裏のラジャー』声変わり中に収録 自分の声に「びっくりしました」
俳優の寺田心が21日、帝国ホテルで行われたスタジオポノック最新作『屋根裏のラジャー』製作報告会見に出席。主人公の誰にも見えない少年・ラジャーの声優を務めることが発表された。声変わり寸前でアフレコに挑んだことを明かした寺田は「自分の声を聞いてびっくりしました」と語っていた。会見には、寺田と共にボイスキャストを務める安藤サクラ、イッセー尾形、百瀬義行監督、西村義明プロデューサーも参加した。
スタジオジブリで、高畑勲作品の重要な役割を担った演出家・百瀬義行が監督を務め、イギリスの詩人・作家のA・F・ハロルドによる感動作「ぼくが消えないうちに」を原作とし、想像から生まれたイマジナリーフレンド達による人間には決して見えない大冒険を描いた本作。
寺田は本作でアニメーション映画の声優に初挑戦。この日は大人の声であいさつとなったが、変声期に入る直前に声の収録を実施したといい「先ほど初めて映像を観て、自分の声を聞いてびっくりしました」と驚きの顔を見せると「アフレコが始まる前は、ギリギリ声変わりする前の状態を保っていたのですが、収録が終わるころには声が変わっていました」と裏話を披露する。
オーディションで寺田を採用したと明かした西村プロデューサーは「すごくうまかったんです」と賞賛すると「最初からラジャーとして来てくれた。オーディションの服装もラジャーと同じだった」と寺田の役を得るための心意気にも触れる。
本作は2022年夏の公開から2023年の冬公開に延期された。西村プロデューサーは「延期したことで(寺田の)声が変わってしまう可能性があった」と述べると「そのため一部アフレコではなく、心さんの芝居に合わせてアニメを生かすプレスコという手法も採用しました」と語っていた。
百瀬監督も「オーディションのためにスタジオにいらっしゃったとき、遠くから話声が聞こえてきたのですが、そのときすでにラジャーのような声で、とてもしっくりきていた」と適役だったことを明かすと、寺田は「すごく嬉しいです。百瀬監督も西村プロデューサーもたくさん話をしてくれて、アフレコに入る前にラジャーになれました」と感謝を述べていた。
会見では、ラジャーを作りだした少女アマンダ役を鈴木梨央、アマンダの母リジー役を安藤サクラ、ラジャーが出会う少女エミリ役を仲里依紗、ラジャーの前に現れる怪しげな猫ジンザン役を山田孝之、アマンダの祖母ダウンビートおばあちゃん役を高畑淳子、ラジャーを狙う謎の男ミスター・バンティング役をイッセー尾形が務めることも発表された。(磯部正和)
映画『屋根裏のラジャー』は12月15日より全国公開