トム・クルーズの機動スーツを応用!『MEG ザ・モンスターズ2』ハイテク潜水スーツ造形秘話
映画『MEG ザ・モンスターズ2』(公開中)で美術監督を務めたピエール・ボハナがリモートインタビューに応じ、主演のジェイソン・ステイサムらが劇中で着用するハイテク潜水スーツの製作を振り返った。
『ハリー・ポッター』シリーズの造形美術監督で知られるボハナは、SF映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(2014)でトム・クルーズが装着する機動スーツを手がけたほか、DC映画『ザ・フラッシュ』(2023)ではマイケル・キートン版バットマンのコスチューム製作に携わった。
“人類最強の男”として知られるステイサムに、パワードスーツのような潜水装備を与えることになったボハナ。「劇中では、彼がそんなものなど必要ないことを証明するシーンもありますが、スーツ製作はとても楽しい仕事でした」と振り返る。
ボハナは、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』で謎の侵略者と戦うトムふんする主人公・ケイジの機動スーツをデザインした経験がある。『MEG』に登場する潜水スーツとは用途こそ違うものの、「『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の起動スーツ製作で学んだことを、いくつも応用しています」と明かした。
スーツ製作には、約5か月を費やしたという。「限られた時間の中で仕事をこなさなければならないプレッシャーは常にあります。本作の場合、ディベートしてデザインを固める工程に2か月かけています。さまざまなアイデアを煮詰めた後、実際にスーツ製作に入ります。スーツは、最終的に25着作りました」
ボハナが目指したのは、メカニックな外見でありながら、ダイビング用として実用的なスーツ。自分が気に入っていたデザインたちが何度も不採用になってしまったそうだが、「スーツ製作は数多くの“犠牲”で成り立つもの」と力を込める。「デザインする上では、良きアイデアがある分だけ仕事が捗りますが、実際にスーツを組み立てる際には、あるものを削ぎ落とさければなりません」
ステイサムが撮影現場でスーツを着用する瞬間に立ち会えたボハナ。本人から「着心地がいい」とお褒めの言葉をもらえたと嬉しそうに振り返っていた。(編集部・倉本拓弥)