後藤久美子、30年ぶりドラマ復帰 松本清張「顔」武井咲とW主演で2024年新春放送
女優の後藤久美子が、松本清張の不朽の名作を映像化したドラマスペシャル「顔」(テレビ朝日系)で、30年ぶりに地上波ドラマ復帰を果たすことが15日、同局より発表された。初共演となる武井咲とのW主演で、2024年新春に放送予定。後藤は「そんなにも長い時間という感覚もなく、あっという間に過ぎ去った日々でした」とドラマ出演への心境を明かし、「武井咲、後藤久美子の共演作、第1ラウンドです。松本清張『顔』よろしくお願いします」とコメントを寄せた。
後藤は、2019年公開の映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』で女優復帰を果たし、同作で第44回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。ドラマ復帰は、1994年に放送された主演ドラマスペシャル「誰よりも君のこと」以来となる。
武井とのW主演で挑むのが、松本が1956年に発表した短編小説「顔」。今回のドラマ化では、令和の今に相応しい「今だからこそ」描けるテーマと人物設定で、老若男女が楽しめる至高のエンタメドラマへと昇華させる。
武井が演じるのは、音楽界を席巻する覆面アーティスト・井野聖良(いの・せいら)。美しい顔と歌声を持ちながら、殺人犯であることから「顔を出さないこと」を条件に活動している。一方、後藤は殺人現場から立ち去る聖良を唯一目撃していた・石岡弓子(いしおか・ゆみこ)役を担当。人権派の弁護士で、ある出来事をきっかけに聖良と再会することになる。
後藤は、30年ぶりにドラマ出演を決めた理由を「非常に私事になりますが、私、オスカープロモーション所属歴40年なんです。でも、ここ何年も『幽霊会員』状態でして……(笑)。いつも事務所に会長、社長に会いに遊びに行くと、子育て相談所みたいな感じになっていたんです。で、まあこの辺りで会長と社長と、もっと仕事の話で盛り上がる場を持てたらいいなと思って、それで仕事をしようと決めたわけです(笑)」と説明する。以前CM撮影で会ったという武井との共演について、「今回こうしてお会いすることができて、一緒にドラマを作ることができて、とてもうれしく思っています。以前よりも落ち着いた、それでいて輝きが増した咲ちゃんとご一緒するのが楽しみです」と期待を寄せた。
3年ぶりのドラマ出演となる武井は、「自分の感覚としては3年も経った気がしないほど、あっという間に過ぎていたのですが、やはり久しぶりに現場に立つと感覚が戻ってきて心地よくて、スタッフさんや近くにいる人にどんどん話しかけちゃったりして、現場って楽しいなと思いながら過ごしています」とコメント。後藤との共演に「今でも心臓の音が聞こえるくらい緊張しています(笑)」と心境を明かすと、「それと同時に、不思議と心強い、家族のような温かい気持ちも感じています」と喜んだ。
エグゼクティブプロデューサーを務める内山聖子(テレビ朝日)は、「『黒革の手帖』『砂の器』『ゼロの焦点』。人間社会の闇や格差に徹底的に斬り込んだ稀代のミステリー作家、松本清張。彼が生きていたら、現代の何にスポットライトをあてるのでしょう。SNS、ソーシャルメディア、デジタルタトゥー……最先端のツールによって、人が陥るエアポケットとは? このたび、後藤久美子×武井咲という美しく華やかな俳優の光と影を、原作『顔』を大胆にアレンジして描きたいと思います。『必死に幸せになりたい』と願う、働く女性の、戦いと友情をお楽しみに!」と視聴者に呼びかけた。(編集部・倉本拓弥)