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PFFグランプリは中野晃太監督『リテイク』 石井裕也監督「俳優陣の躍動」を高く評価

グランプリに輝いた『リテイク』の中野晃太監督、キャストの麗&タカノアレイナ
グランプリに輝いた『リテイク』の中野晃太監督、キャストの麗&タカノアレイナ

 若手映画監督の登竜門として知られる「第45回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」のコンペティション部門「PFFアワード 2023」の表彰式が22日に都内で行われ、中野晃太監督(35)の映画『リテイク』がグランプリに輝いた。表彰式には、最終審査員の石井裕也(映画監督)、石川慶(映画監督)、岸田奈美(作家)、國實瑞惠(プロデューサー)、五月女ケイ子(イラストレーター)が出席した。

【写真】石井裕也監督、石川慶監督らが祝福!表彰式の様子

 今年は、応募総数557作品の中から22作品が入選し、その中から最終審査員5名による厳正な審査が行われた。見事グランプリを受賞した『リテイク』は、高校生達が映画作りを通して見つけ出す、ともに(それぞれに)生きていくことについての物語。表彰式には中野監督、高校生・水口遊役を務め、EDテーマ「また、夏になる」も担当したバンド「チョーキューメイ」の、小川アリサ役のタカノアレイナも駆けつけた。

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 中野監督は麗とタカノを前に、「二人のおかげでできた映画でした」と嬉しそうな表情を見せると、「二人が支えてくれたし、劇中も映画作りについて話しながら作ることができました。他のキャストと相談しながら、途中シナリオを書き加えたり、今それがこういう結果につながって嬉しい。改めてお礼が言いたいです」と感慨深げに話す。

 緊張気味な中野監督に対して、麗とタカノはユーモアを交えてスピーチを行い、麗は「『リテイク』という名ですけど本当にリテイクが多くて……。『早くしてくれない』って私の方が監督していたと思います」と笑顔でコメント。タカノも「撮影期間が長くて、これで賞を受賞できないと許せないと思っていたのですが、受賞したので許します」と嬉しそうに話していた。

 表彰式のプレゼンターも務めた最終審査員の石井監督は、「映画との戯れ方が本当に面白い作品でした」と述べ、「不思議な魅力がある作品でした。その不思議な面白さがずっと続いていて、次どうなるかとワクワクしながら観ていました。一番のポイントは俳優の人たちの躍動だと思います。プロが狙ってもできない配役だったと思います」とグランプリ選出理由を語った。

 準グランプリに輝いたのは、高田恭輔監督の『ふれる』。現在21歳の高田監督は、コロナ禍で感じた孤独感が作品制作につながったと述べ、「ひとりぼっちというものを感じながらこの映画を作ったんです。1人は寂しくて孤独で辛いですが、この映画を作る時に自分を支えてくれて、1人じゃないと思わせてくれたのは、この映画を一緒に作ってくれた人たちです。自分は1人じゃないと言いたいために、これからも映画を作っていきたいなと思いました」とスタッフやキャストに感謝の気持ちを述べていた。(取材・文:名鹿祥史)

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PFFアワード2023受賞結果一覧

グランプリ:『リテイク』(中野晃太監督)
準グランプリ:『ふれる』(高田恭輔監督)
審査員特別賞:『うらぼんえ』(寺西涼監督)、『鳥籠』(立花遼監督)、『リバーシブル/リバーシブル』(石田忍道監督) 
エンタテインメント賞(ホリプロ賞): 『完璧な若い女性』(渡邉龍平監督)
映画ファン賞(ぴあニスト賞):『じゃ、また。』(石川秦地監督)
観客賞:『移動する記憶装置展』(たかはしそうた監督)
※高田恭輔監督の「高」は「はしごだか」が正式表記

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