『名探偵ポアロ』もうひとつの主役、呪われた屋敷の裏側に迫るメイキング映像公開
名優ケネス・ブラナーが監督・製作・主演を務め、“ミステリーの女王”アガサ・クリスティーの小説を実写化した映画シリーズ最新作『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』(公開中)のキャスト・スタッフが、事件現場となる、古びた屋敷での撮影について語るメイキング特別映像が公開された。
本作は『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』に続くシリーズ最新作。事件の舞台は水上の迷宮都市ベネチア。ハロウィーンの夜、探偵ポアロ(ケネス・ブラナー)は、自らを“世界一の霊能者”と称し、「死者の声を聞ける」と断言する霊能者レイノルズ(ミシェル・ヨー)の“超常現象”を見破るため、子供の亡霊が出現するという屋敷での降霊会に参加することに。そこで様々な超常現象が起こり、招待客が人間には不可能と思われる方法で殺害される。
犯人は人間か亡霊か。幻想的な夜に起きる、不可思議な事件を映像化したケネスは「本作には緊張感や怪しい雰囲気がある。呪われた屋敷に実際にいると感じさせたい」と熱を込める。その言葉を体現するかのように、メインキング映像では、闇に飲み込まれてしまうかのような屋敷内での撮影風景が映し出されており、レイノルズを演じたミシェルは「セットの雰囲気は最初から完璧に作りこまれていた」と振り返る。
閉鎖的で恐怖に満ちた屋敷を徹底して作り込むことで没入感を生み出し、観る者をリアリティーあふれる恐怖へと引きずり込む屋敷のセット。ポアロの旧友の作家で犯人候補のひとりでもあるオリヴァ役のティナ・フェイは、「家のようにセットを歩き回れるの」と明かし、プロダクション・デザインを務めたジョン・ポール・ケリーは「ケネスが求めたのは、どこから見ても実在しそうと思える空間だった」とこだわりを語っている。
クリスティーの誕生日でもある9月15日に公開を迎えた本作は、アガサの小説「ハロウィーン・パーティ」を再構築し、新鮮な謎解きと驚きを提供しており、SNS では「ミステリー好きには堪らない」「驚きの結末に裏切られた」などの声も。こだわりの美術も見どころとなり、「シリーズ共通の映像の美しさは健在で、ベネチアの景色も堪能でき、今までの中でも一番の完成度」といった声も寄せられているといい、ミステリーの季節にふさわしい一本としても注目だ。(編集部・入倉功一)