小室哲哉「Get Wild」の楽しみ方を解説 日常が急に「エモくなる」
小室哲哉が7日、都内で行われた『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』大ヒット御礼舞台あいさつに登壇し、ヒット曲の誕生秘話や楽しみ方を伝えた。この日は、こだま兼嗣総監督、長崎行男音響監督、若林豪プロデューサーも来場した。
映画『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』フォトギャラリー
本作は、漫画家・北条司原作によるアニメ「シティーハンター」シリーズ最終章の幕開けとなる劇場版最新作。東京・新宿を根城に活動する、裏社会ナンバーワンの実力を持つ始末屋・冴羽リョウが、かつてのパートナーの命を奪った闇のテクノロジー「エンジェルダスト」をめぐる戦いに挑む。
10月1日までに観客動員が約60万人に達し、興行収入8億9,000万円を突破するヒットを記録している同作。TM NETWORK として小室が手掛けたオープニングテーマ「Whatever Comes」もオリコンシングルチャート(9月18日付)で初登場10位にランクインし、TM NETWORK は1980年代から2020年代の5年代でシングルトップテン入りを成し遂げた。
小室は「最初にオリコンのベストテンに入った曲が『Get Wild』で、最新も『Whatever Comes』。『シティーハンター』(の楽曲)が囲んでくれています。ありがとうございます」と感謝。同曲は依頼されてから3分でできたと明かし「『シティーハンター』は陰と陽の対比しているものが同軸上に動いているドラマなので、『Get Wild』と程よい対比を考えなければいけないと思って、明るすぎないような明るさを作ろうと思いました」と振り返った。
また、長年タッグを組む作詞家・小室みつ子とのエピソードも披露。アニメの楽曲制作において、脚本を読むことは大事だが、小室みつ子は苦手だといい「哲ちゃん、電話で説明してほしい」とお願いされた小室は「オープニングテーマですけど、伏線など(含めて)エンディングまで説明しました」と明かして会場の笑いを誘った。
小室は本作の挿入歌も手掛けており、音楽の力によって同作が昇華したと感動したこだま総監督は、記者会見時に「ありがとうございました」と小室と握手をしたという。当時を思い返した小室は「今年で一番、音楽家としてうれしかった」と感慨にふけった。
さらにこの日は「Get Wild」の楽しみ方も紹介。同曲は印象が異なる2つのイントロで成り立っており「イントロのイントロがある」と語った小室は「(最初の)静かなイントロのところで、お友達やご夫婦、お子さんとでもいいので会話してほしいんですよね。『どうする? これから』『アイス食べて帰ろうか』くらいな台詞でも、急にドラマチックになるんですよ。すごく不思議でマジックなイントロで、(次のイントロに向かって)感情がボリュームアップしますよね。今で言うとエモくなる」と解説。また、同作においては「音、大きいですよ。このドラマがいよいよ終わるんだなと、つくづく感じられると思います」とアピールしていた。(錦怜那)