フランス映画『最悪な子どもたち』12月日本公開
昨年の第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリに輝いたフランス映画『The Worst Ones(英題)』の邦題が『最悪な子どもたち』に決まり、12月9日よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開されることになった。
フランス北部の荒れた地区を舞台にした映画が企画され、地元の少年少女を集めた公開オーディションが開かれるところから始まる本作。選ばれたのは、異性との噂が絶えないリリ、怒りをコントロールできないライアン、心を閉ざしたマイリス、そして、出所したばかりのジェシーの4人のティーンエイジャーたち。出来上がったシナリオは、彼ら自身をモデルにした物語だった。なぜ問題児ばかりが主役なのか? 監督の狙いとは? 住民たちがいぶかしむなか、波乱に満ちた撮影が始まり、予想外の展開が訪れる。
メガホンを取ったのは、リーズ・アコカとロマーヌ・ゲレの新進監督コンビ。キャスティングディレクターや演技コーチとして、数千人以上の若者と接してきた二人ならではの作品になっているといえる。主人公の子供4人を演じたのは、実際に北フランスの撮影地近くの学校や児童養護施設でのオーディションに参加して選ばれた、演技未経験の子供たちだ。現実とフィクション、映画制作のプロセスと物語の間を絶え間なく行き来する、子供たちのみずみずしくリアルな演技が光る。(編集部・市川遥)