濱田龍臣、“龍臣プロ”呼び「まだ恥ずかしい」 ウルトラマンは「人生を支え、寄り添ってくれる」存在
特撮ドラマ「ウルトラマンジード」(2017)で主人公・朝倉リクを演じた濱田龍臣が、10月20日から22日にかけて開催された「なりきり玩具」の総合展示イベント「NARIKIRI WORLD 2023」でインタビューに応じ、大人のためのなりきり玩具「ウルトラレプリカ」シリーズで商品化が決定した変身アイテム「ジードライザー」の魅力や、特撮ファンの間で定着している“龍臣プロ”という呼び方について語った。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
【動画】ウルトラマンジャスティス愛よ、届け!龍臣プロが1分間で魅力を語る
放送開始から6年以上、「ウルトラマンジード」が愛され続ける理由
Q:ジードライザーが、大人のためのなりきりアイテム「ウルトラレプリカ ジードライザー」として商品化が決定しました。現在の心境をお聞かせください。
嬉しいです! この一言に尽きます。ウルトラレプリカになると、DX版より音声パターンが増えたり、BGMが収録されるなど、本当に豪華な仕様になっています。製品を見ると、僕が撮影用として当時使っていたジードライザーよりも綺麗なのでは? と感じるくらいのクオリティーに仕上がっているので、みなさんに手に取っていただける機会が生まれたことは、本当にありがたいです。
「ウルトラレプリカ」は細部までこだわっているので、もしDX版をお持ちの方がいましたら、ウルトラカプセルの裏側やパーツの細かい部分を見比べてほしいです。本当に丁寧に作られていて、カッコよさも倍増していると思うので、全体的なクオリティーの高さは注目ポイントです。
Q:「ウルトラマンジード」は放送開始から6年たちましたが、今も多くの特撮ファンから支持されています。長く愛され続ける「ジード」の魅力はどこにあると思いますか?
「ウルトラマンジード」は、じっくりと構想が練られた作品だと感じています。2009年の『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』から始まったウルトラマンゼロとウルトラマンベリアルの物語の、ある種の終着点として生まれた作品でもありますし、愛されるヒーロー&ヴィランを作り上げた中で、そのヴィランの物語に一つ区切りをつけています。
僕も13年前になりますが、『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(2010)で、「ジード」と役は違いますがベリアルと戦い、その後、今度はベリアルの息子という運命を背負って戦いました。いろいろな設定があって考察のしがいもある、そんな繋がりを感じてやまない作品になっていると思います。
自分を受け入れてくれる特撮ファンに感謝
Q:濱田さんの特撮愛に敬意を込めて、特撮ファンの間では“龍臣プロ”呼びが定着しています。ウルトラマンシリーズの後輩からも“龍臣プロ”と呼ばれていますが、濱田さんご自身は慣れましたか?
対面で直接“龍臣プロ”と言われると、まだ恥ずかしいですね(笑)。文面だったり、エゴサーチで“龍臣プロ”という言葉が流れてくると、「ふふっ」と思いながら見ています。
Q:ちなみに、ご自身は“龍臣プロ”という呼び方がいつ誕生したのか覚えていますか?
始まりは、恐らくどこかのインタビューだと思うんですよね……。巷では「龍臣構文」などと言われている、「(さえぎって)」「(以下、早口で一気に)」という注釈が付けられたインタビューがありまして、その辺から定着しはじめた感じがあります。あの記事は今見返すと、語った本人なんですけど「この人やばいな……」と思うんです(笑)。そういう部分を面白く切り取ってくださり、そして円谷プロダクションさんの「円谷プロ」という部分とかけて、“龍臣プロ”とつけてくださったのかなと思います。
今年の誕生日も、ネットニュースのSNS投稿で「ウルトラマンジャスティスのことになると、変調をきたす」と紹介されたりして、自分でも「そんなだったかな?」と思って(記事を)見返したら、本当にそうでした(笑)。自分が好きなコンテンツに囲まれて、好きなことを好きなように話しているだけなのですが、それを受け入れてくださる特撮ファンの皆様には、本当に感謝しかないです。
ウルトラマンジャスティス愛よ、届け!
Q:そんな濱田さんの推しであるウルトラマンジャスティスへの愛を、読者に向けて1分間でお話いただけますでしょうか?
はい! ウルトラマンジャスティスは『劇場版ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET (ブループラネット)』(2002)という映画にて初登場したウルトラマンです。その時はコスモスと協力してサンドロスという怪獣を一緒に倒してくれる仲間として現れたのですが、その次の映画、2003年に公開された『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティスTHE FINAL BATTLE』では、“宇宙正義”を掲げるデラシオンとして地球を消滅させるという目的を持っているのですが、もちろん作品が進んでいくにつれて、地球だったり人間という生命体に対しての希望を見いだしてくれて、最後はコスモスと力を合わせ、宇宙正義に対して立ち向かってくれる。すごく印象的なシーンとしては、コスモスとジャスティスが宇宙空間で光線を撃ってせめぎ合いをしているんですけど、そこで自分のエネルギーといろいろ鑑みた結果、コスモスの後ろに回って大気圏突入の熱を止めてコスモスの手助けをするというシーンも出てくる……(1分経過)あぁぁぁ終わっちゃった……もう少し語りたかった……。
Q:ウルトラマンジャスティスの活躍が、完璧にインプットされていますね。
『THE FINAL BATTLE』は、数えきれないくらい観た作品です。あれから20年の時を経て、ウルトラマンジャスティスが「ウルトラギャラクシーファイト」に参戦して、しかも僕も縁が深い潘めぐみさんがキャラクターボイスを担当してくださって本当に嬉しかったです。
ウルトラマンシリーズでは、最近ですと「ウルトラマンネクサス」が「TSUBURAYA IMAGINATION」で配信開始となりました。僕は「ネクサス」「マックス」「メビウス」をリアルタイムで観ていた世代で、おもちゃでも遊んでいた記憶があります。当時4歳~6歳くらいだった濱田少年は「ウルトラマンになりたい」と憧れ、その後本当にウルトラマンに変身し、そして、その変身アイテムが6年越しに「ウルトラレプリカ」となりました。本当にウルトラマンは、僕の人生を支えてくれて、寄り添ってくれる存在です。
濱田龍臣にとって“変身”とは
Q:では、現在放送中の「ウルトラマンブレーザー」について濱田さんの率直な感想を教えてください。
実は別の仕事が立て込んでいて……「ウルトラマンブレーザー」は第1話を視聴して溜め込んでしまっている状態です。でも、第1話を観た後は「そうきたか」と思いました。ブレーザーの出自に関してもそうですし、防衛隊が存在して、その隊長がウルトラマンに変身するという作品としての設計もすごく画期的ですよね。ブレーザーの戦い方だったり、新しい要素がどんどん素敵な形で取り入れられていくことを肌で感じたといいますか、観ているだけでワクワクしました。
今年もウルサマ(注:「ウルトラヒーローズEXPO 2023 サマーフェスティバル IN 池袋・サンシャインシティ」)に前期だけお邪魔させていただき、ブレーザーの戦っている姿を生で見たのですが、「そこまでやるんだ!」という瞬間が多くて、劇中でも描かれたビルによじ登る姿を再現したり、テンションが上がっていました。
Q:最後に、濱田さんにとって“変身”とはどんな意味がありますか?
変身は、読んで字の如く「身体が変わる」ということですが、僕は「身体は変わっても、心は変わらない」と思っています。自分もウルトラマンジードとしてさまざまなタイプに変身していましたが、朝倉リクという人物の心は変わりません。もちろん、ジードが擬態型のウルトラマンだったからという部分もありますが、彼が持っている正義の心は絶対に変わりません。作品で描かれた変身だけではなく、日常生活で人が変化すること、見た目が変わることもあると思います。でも、軸になることを一つしっかり持つことは、どんな変身においても大切なこと。ブレない軸を持つことが、変身の真髄だと思います。
「ウルトラレプリカ ジードライザー」(税込1万2,800円/送料・手数料別途)は2024年5月10日23時(予定)まで「プレミアムバンダイ」にて予約受付中