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仲間由紀恵が悪役を演じる理由とは?

悪役はやりがいがある?
悪役はやりがいがある? - 写真:杉映貴子

 仲間由紀恵が、大人気のCGアニメシリーズ「パウ・パトロール」(以下、「パウパト」)の最新映画『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』で、敵となる悪役に挑戦している。近年は、NHKドラマ10「大奥」など、印象深い悪役を演じることも多い仲間が、その面白さや難しさ、やりがいを語った。

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 仲間は、町のさまざまなトラブルを解決していく子犬たちのチーム「パウ・パトロール」をとんでもない事態に巻き込むマッドサイエンティスト・ヴィクトリアの声を担当。「パウパトたちと対立する形にはなりますけど、ヴィクトリアはどこか憎めない人なんです。たくさんの人に自分のスゴさを知ってほしい! という思いが強すぎて、それがトラブルになってしまう。ちょっと寂しさも持っていると思います。共感できるところはありますね」と、自身が演じるキャラクターを分析する仲間。「彼女の発信する、自分を信じる強さが出せたらいいなと思って演じました」とその役柄としての魅力を語った。

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 ヒーローであるパウパトたちの前に立ちふさがる悪役であることにも、戸惑いはなかった。「うちの5歳の子どもたちも大好きな作品で、テレビシリーズはよく一緒に観ていますし、前作の映画も楽しみました。絵がキレイだし、大人が観ても楽しい作品だったので、ためらいは全然なかったです。こんな大きな作品のお話をいただけたことがうれしかったです」という。世界160か国以上の国と地域で放送され、日本でも保育園や幼稚園での知名度は抜群。「犬の仲間の役で登場してセリフで『ワン!』と言えたら、それはそれで楽しかったと思いますが(笑)、人間役もやりがいがありました」とほほ笑んだ。

 仲間といえば、かつては「ごくせん」シリーズのヤンクミや、「トリック」シリーズの山田奈緒子など、コメディータッチのキャラクターが印象的だったが、近年は悪に寄った演技も光る。特に、物語性の高さで圧倒的な人気を博したNHKドラマ10「大奥」で演じた徳川治済(はるさだ)の、世を戦慄させたサイコパスぶりは見事だった。自身も「あのキャラクターはちょっと子どもには見せられないです(笑)。わたしも演じていて戦慄しました」と明かしている。

パウパト

 では、なぜ悪役のオファーを受けるのだろう。「悪い人だからやらない、といったNGラインを決めているわけではないです。その役にどんな面白味があるかというのが大事。悪役の場合、ふだんの自分が絶対にしないことをやれるというのは珍しい体験じゃないかなと感じています」と言う。「非日常の世界に入って、悪い人の気持ちを演じるというのは、面白い……といったら語弊がありますね、人に対して悪いことをしているので。ただ、演じるという意味での振り幅は大きいから、その部分での面白さは感じます」と悪役の魅力を語った。

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 悪役の役づくりについて「悪役の心情は考えてもわからなくて、寄り添えないこともあります。でも、寄り添えないなら寄り添えないなりに、自分とはまったく違うところにいったほうが、悪く見えるかなと思うんです」と思い切って違う自分に成り切ることが、悪役へのアプローチ方法だと明かした。

 若いころは、あまり悪役にチャレンジしなかった。「やっぱりむかしは、あまり周囲が見えてなかったかもしれないですね。この年になって、子どもを産んで、客観的になったからこそできたのかなと思います」。幅広く思い切ったアプローチができるようになったのは、人生の変化も関係しているようだ。子どもと楽しんでいるという「パウパト」に悪役として出演したことは、当然の流れだったのかもしれない。この先の仲間の“悪”の振り幅が楽しみだ。(取材・文:早川あゆみ)

映画『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』は12月15日より公開

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