【ネタバレ】「相棒22」衝撃ラストに騒然 死んだと思われた“最悪の男”復活か
連続ドラマ「相棒season22」(テレビ朝日系・毎週水曜よる9時~)の第12話「惡の種」が17日に放送された。特命係の杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)が、弁当屋の店長の転落死を発端にいくつもの事件の連鎖に遭遇。ラストで戦慄の事実にたどり着く衝撃的な内容に、「やはりあの男が!?」「伏線壮大に張ったな」「え、どういうこと? いつ真相がわかるの?」と視聴者が大混乱。右京も恐れる“最悪の男”の復活が示唆され、波乱のまま幕を閉じた。(以下、ネタバレを含みます)
うらぶれた地下道で発見された遺体は、フランチャイズ弁当店の店長・吉口秋夫(古賀清)だった。何者かともみ合って転落死したと思われたが、吉口の遺した手帳には、本社社員からのパワハラの実態が生々しく書かれていた。本社で対応したのは当該社員・河野のアシスタントだという内田隆一(前原滉)だったが、パワハラのことは知らないと証言する。
一方、右京は吉口の持っていた小銭が、綺麗に洗われていたことが気になっていた。近所の公園で清掃のボランティアなども行っていた吉口は、マナーの悪い若者への注意なども積極的に行い、周囲から人望があったという。その公園では1年前、ホームレス殺人事件が起きており、未解決のままだった。右京は、袋に詰めた小銭でホームレスは撲殺され、小銭は綺麗に洗われたのではないかと推理する。つまり、公園の美化にまい進する吉口がホームレスを殺したのか……。
吉口にパワハラをし、追い詰めて転落させたのは内田だった。その内田は、捜査一課や右京らから逃げる途中、通り魔・岩上(小島ことり)に刺される。収監された岩上も何者かに命をねらわれ、かろうじて助かるも意識は戻らない。さらに、吉口に殺された高木良雄(宮本大誠)は、かつて資産家女性を殺し、逃亡してホームレスになっていた。悪と罪が連鎖しているのだ。
捜査途中で浮かび上がってきた「ワイアット」「非凡人」「食物連鎖」という言葉は、まさにこの状況を指していたと右京は気づく。正義を行ったことで英雄視され、陶酔し、過剰な暴力を働くことは「ワイアット・アープ症候群」。吉口の高木への暴力はこれだろう。「非凡人」は、資産家女性を殺した高木の事件と同じような状況を描いたドストエフスキーの小説「罪と罰」に登場する。そして、上司からパワハラを受けていた内田は何者かにそそのかされ、食物連鎖のように吉口にパワハラをしかけていた。
加害者が被害者になり、悪意が連鎖する状況に「偶然とは思えません」と右京。「市井のどこにでもいる人たちが持つ小さな悪意を、犯罪をおかすまでに育て上げる。今回の一連の事件の裏にそんな人物がいたとしたら……」。右京は死んだはずの“元相棒”を思い浮かべていた。
その男は、スコットランドヤード時代の右京の相棒であり、犯罪者たちの心を自在にあやつって連続殺人事件を起こさせた南井十(みない・つなし/伊武雅刀)。「逆五芒星事件」で死んだと思われていた。「素直で従順で、人はまるで植物です」とうそぶく若い男は、椅子に座ったスーツ姿の男を「父さん」と呼んでいた。
右京が「あまりに、非現実的です。僕の思い過ごしであってほしい」とまで願う最悪の男・南井の初登場は、season16の第7話「倫敦からの客人」。彼は歪んだ正義感ゆえに、この回の事件に大きく関与していた。以降、season17第17話「倫敦からの刺客」、season18では第14~15話「善悪の彼岸~ピエタ」「善悪の彼岸~深淵」と2週連続で登場している。
ラストに登場した若い男が南井の息子なのだとしたら、今後の物語に大きく関わってくることは間違いないだろう。その場合、薫との初対面も楽しみだ。SNS上では「わけわかんなすぎて面白かった」「めっちゃ気になる!」「おあずけ食らった感じがする」「早く次を!」「続きは今シーズンの最終回スペシャルかな?」と期待と考察が飛び交っていた。(文・早川あゆみ)