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『デッドプール&ウルヴァリン』特報を徹底考察 MCUとのリンク満載、『アベンジャーズ』新作にもつながる?

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 12日、マーベル・スタジオが製作する映画『デッドプール』シリーズ第3弾『デッドプール&ウルヴァリン』の初映像となる特報がついに公開された。2分25秒の映像だが、本編のヒントやマーベルファンの期待をさらに高める小ネタがギッシリ詰まっている。(文・平沢薫)

【動画】注目ポイントだらけ!『デッドプール&ウルヴァリン』特報

TVA参戦!『デッドプール2』の歴史改変とつながる?

 冒頭からマーベルのドラマシリーズ「ロキ」でおなじみのTVA(時間変異取締局)の兵士たちが登場し、デッドプール(ライアン・レイノルズ)をTVAの本部に連れていく。この組織は、複数の時間軸(タイムライン)を管理しており、兵士たちはさまざまなタイムラインに移動できる。彼らがデッドプールの前に現れたのは、『デッドプール2』(2018)のポストクレジット・シーンで、彼がケーブルのタイムマシンを使って過去を改変しまくったからだろう。あれはただのジョークかと思っていたら、ここに至る伏線だったとは。

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 TVAが登場したということは、この映画でもドラマ「ロキ」のように、これまでの映画とは別のタイムラインでの出来事と、数々の変異体(別のタイムラインに存在するその人物)が描かれるということだろう。デッドプールが、ついにマルチバースに突入することになりそうだ。

 ちなみに、TVAでデッドプールを待っていた上級捜査官の名前は、英語字幕によると「パラドックス」。コミック「She-Hulk (Vol. 2) #3」(2005)にも同じ名前のTVAの裁判官が登場する。演じているのは、映画『アシスタント』やドラマ「メディア王 ~華麗なる一族~」で知られる英国俳優マシュー・マクファディンだ。

 また、TVAのシーンではMCUとのリンクも確認できる。捜査官がデッドプールに見せるモニターに映っているのは、映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『マイティ・ソー バトルロイヤル』『キャプテン・アメリカ/ザ・ウィンター・ソルジャー』の本編シーンだ。

「ロキ」の虚無(ヴォイド)も舞台に!?

 捜査官の「ヒーローにならないか」という誘いを受けて、デッドプールが送られた場所は、ドラマ「ロキ」シーズン1第5話「未知への旅」に登場した虚無(ヴォイド)ではないだろうか。この場所は、TVAに剪定(排除)された人物や物体が送られるところ。さまざまなタイムラインから剪定された変異体が何人もいて、ロキも3人と1匹の変異体に出会った。

 「ロキ」ではここにアベンジャーズビルもあったが、今回の特報では、この場所にいるデッドプールの背後に、20世紀フォックス(注:『デッドプール』過去2作を製作したスタジオ。ディズニーのフォックス買収によって名前が消滅した)のロゴマークと同じ建造物の残骸がある。そんなものが地面に落ちている場所は、虚無しかないのではないか。戦うデッドプールの背後には、国際平和維持組織「S.H.I.E.L.D.」の飛行空母ヘリキャリアの残骸のようなものも見える。

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 また、この場所では20世紀フォックス製作の『X-メン』(2000)にカメオ的に出演し、『X-MEN2』(2003)と『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(2006)にも登場した炎を操るミュータント・パイロ(アーロン・スタンフォード)がいて、「タマンねぇな!」と言う。彼は成長したフォックス版のパイロかもしれないが、ここが虚無ならば、パイロの変異体でもおかしくない。

ウルヴァリンの変異体は複数いる!?

 変異体といえば、ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)の変異体が複数登場するのかもしれない。最初に発表された場面写真では、ウルヴァリンがフォックス版『X-MEN』シリーズとは違う、原作コミックでお馴染みの黄色いコスチュームを着ていることが話題になったが、特報にはまた別のウルヴァリンらしき人物が確認できる。カジノのような場所のテーブルに、白いタキシードを着て座っているウルヴァリンらしき後ろ姿が見える。

 この姿は、原作コミック「Wolverine: Patch」(2022)のウルヴァリンそっくりなのだ。同コミックの舞台は、原作や映像作品でおなじみの犯罪都市マドリプール。ここでウルヴァリンは、人々に“パッチ”という名前で呼ばれている。このウルヴァリンも、別のタイムラインの変異体として登場するのかもしれない。となると、変異体がいくつも登場する可能性も考えられる。

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一瞬だけ映る悪役らしき姿

 特報には、本作のラスボスらしき人物も確認できる。デッドプールが「シネマティック・ユニバースを完全に変えちゃうよ」という時、砂漠のような光景の後に、後ろ姿が一瞬だけ映る。スキンヘッドで尖った耳、襟を立てた衣装のキャラクターは、コミックのカサンドラ・ノヴァを思わせる姿。この凶悪な人物が、本作の最大のヴィランかもしれない。

 カサンドラ・ノヴァは、コミック「New X-Men #114」(2001)で初登場した、X-MENの創始者プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアのいわば邪悪版。身体を持たない存在だったが、プロフェッサーXの母の胎内で彼のDNAをコピーして身体を作り、彼を殺そうとして失敗し死産になるが、また肉体を再構築して出現した。プロフェッサーX同様の強力なテレパシーやテレキネシスの能力を持つ。

 このキャラを演じるのは、ドラマ「ザ・クラウン」シーズン4でダイアナ妃役を演じて、2021年のゴールデン・グローブ賞ドラマ部門主演女優賞を受賞したエマ・コリンだろう。彼女は2023年8月に本作のヴィラン役で出演が報じられたが、役名は未発表。しかし、発表後すぐにカサンドラ・ノヴァ役ではないかとの噂が流れていた。

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『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』への布石が!?

 特報のビッグサプライズは、ラストシーン近くで地面に仰向けに倒れたデッドプールの左側に捨てられているコミック。破れた表紙をよく見ると、このコミックが「Secret Wars #5」(2015)だとわかる。さまざまなマルチバースに存在するスーパーヒーローとスーパーヴィランたちが集合してバトルを繰り広げるクロスオーバー作品で、MCU映画『アベンジャーズ』シリーズ第6弾となる『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)/ Avengers: Secret Wars』(2026年5月1日全米公開)の原作なのではないかと噂されているコミックなのだ。なぜ、このコミックがここに!?

 同コミックに関連してもう一つ気になるのは、先述のパイロが登場する少し前、デッドプールを攻撃するフードを被ったキャラクターの姿が「Fantastic Four #5」(1962)に初登場したファンタスティック・フォーの宿敵、ドクター・ドゥームに似ていること。ドクター・ドゥームは、このコミック「Secret Wars #5」の主要キャラの一人である。

 さらに、ドクター・ドゥームにはもう一つ噂がある。征服者カーンを演じていた俳優ジョナサン・メジャースが、DVの有罪判決を受けてマーベルから解雇され、またドクター・ドゥームと関連深い「ファンタスティック・フォー」の映画化が進行中なことから、今後のMCUのメインヴィランが、カーンではなくドクター・ドゥームがになるのではないかとも言われているのだ。

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 となると、このコミックの表紙は、本作が今後のMCUにつながることを示唆しているとも考えられる。デッドプールがこの特報で宣言する「シネマティック・ユニバースを完全に変えちゃうよ」「俺は救世主。俺ちゃんはマーベルの神だ」というのは、ジョークではないのかもしれない。そんな妄想が膨らんでしまうが、デッドプールのことだからやはりジョークかもしれない。とにかく、次の本予告編が待ち遠しい。

『デッドプール&ウルヴァリン』は7月26日日米同時公開

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