『マダム・ウェブ』吹替版、萩原聖人は“ベン”役 ヒントは「とても重要な言葉を残した人」
俳優の萩原聖人が21日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画『マダム・ウェブ』の日本語吹替版プレミア上映ナイトに出席。「シークレットキャラクター役」として本作の吹替版キャストに名を連ねていた萩原だが、イベント内で、担当キャラクターの名前が“ベン”であることが発表された。この日は、吹替版キャストの大島優子、潘めぐみ、ファイルーズあい、伊瀬茉莉也、子安武人も来場した。
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本作は、マーベル・コミックに登場するキャラクター、マダム・ウェブを主役に、未来予知の能力を持つ彼女の誕生物語を描くミステリー・サスペンス。生死をさまよう大事故に遭遇したことをきっかけに、未来を予知する能力を手に入れたキャシー(ダコタ・ジョンソン)が、謎の男に追われる三人の少女を救うことを決意。やがて、少女たちの使命とキャシーの能力の秘密が明らかになっていく。
萩原が“ベン”役ということが発表されたものの、関係者から詳細は絶対に言及しないようにと厳重注意されていたとのことで、「僕が演じるのはキャシーのバディーで、ベンといいます」と語るのみ。そこで、潘から「もうちょっと何か!」と言われるも、「お客さんが観る前だから黙っておけと。秘密、秘密とうるさいんですよ……」と思案顔を見せる。
さらに「シリーズはいろんな歴史があって。各作品がいろんな形でつながっているんですが、映画『マダム・ウェブ』は時間軸としては過去の作品なので、現代のどこかの作品に……いや、どこまでいっていいのか……」と語りながら、「ある人物にとても重要な言葉を残した人です」と重要なヒントを残すと、会場からは感嘆の声が鳴り響いた。そんな萩原が吹き替える“ベン”の役柄に、子安も「ベンが本当にいいんですよ。癒やし系で、お友だちになりたいなと思いました」と付け加えた。
主人公マダム・ウェブの声を担当した大島は、「マーベル作品が好きで観ていたので、飛び跳ねるほどうれしかったけど、プレッシャーがすごくて。好きな世界観の作品だからこそ、このわたしでやっていいんですかと。日々プレッシャーと戦いながらやってました」と述懐。さらに「実際に芝居をされている方のところに声を吹き込むということが、普段自分がやっている芝居よりも制限が多くて。イマジネーションが必要とされる作業だったので、これを本職とされている方はすごいなと思いました」とコメント。
本編を改めて鑑賞した大島は、「正直な話、自分の声を2時間聞くって苦痛ですね」と苦笑い。その理由として「自分の発する声と、フィルムに乗っている声が全然違って。しかもスタジオで収録するのってワンシーンずつ録っていく作業だったので、フルで完成したものを観た時に、反省点はいろいろあったんですが、それでも参加させていただいて本当に光栄なことだなと思いました」と正直な思いを吐露した。
そんな大島を笑顔で見守っていた潘は「実はわたし、大島優子さんとは13年前に、実写の映画(『櫻の園』)で共演させていただいて。13年ぶりにお会いすることができて。わたしはそのときがフィルムのデビューというか。一般公募で受かった映画だったので、現場のムードメーカーだったのを覚えていまして。会えてうれしかったのと、後半でキャシーを助けるシーンがあったので、その時のありがとうを返せたらいいなと思って。勝手ながらうれしかったです」とその思いをせつせつと語ると、大島も「ありがとう!」と感激した様子。
それを聞いていたファイルーズは、大島の声優ぶりに感激したことを付け加える。「キャシーの安心感が本当にすごくて。大島さんのお芝居でここは特にいいなと思ったのが、前半のキャシーはけっこうけだるそうというか。仕事は一生懸命やるけど、人生の目標があるわけではないという女性なんですけど、それから自分の目的意識を見つけて。どんどん成長していく過程が本当にすばらしくて。2時間の映画なんですが、一生分のキャシーを観ているような、すごく説得力のあるお芝居で、感銘を受けました」
ファイルーズの言葉を聞いた大島は、感激した様子で「すごい世界が優しいと、いいなと思いました。ファイルーズさんの言葉に、わたしの心は本当に救われました。ありがとうございます」と感謝のコメントとともに二人はハグ。観客も優しいまなざしで、そのやりとりを見守っていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『マダム・ウェブ』は2月23日全国公開